なんで私が歯周病に?
何年かぶりに歯医者に行って、「この歯、歯周病になっていますよ」と言われたあなた。
「歯磨きは毎日していたはずなのに」
「今まではなんともなかったのに」
と疑問に思われてはいませんか?
歯周病になってしまったときなぜなってしまったのか。
歯医者で治療を始める前にこれをしっかり理解しておくことが大事です。
歯周病は端的に言うとプラーク(細菌のかたまり)の攻撃力と歯ぐきの抵抗力の力関係で発症するかどうかが決まります。
プラークの攻撃力が高まり、歯ぐきの抵抗力とのバランスが崩れたときに発症するのです。
ここで、歯周病になってしまった3人の患者さんの原因をみてみましょう。
① 『毎日歯磨きしていたのに、、、!』(30代女性)
歯周病の一番の原因は長い間磨き残されたプラークです。
しっかり磨いているつもりでも歯ブラシの毛先がうまくプラークにあたっていなかったところがあったのかもしれません。
磨き残されたプラークは、時間とともにその攻撃力を高めていきます。
そうしたプラークを落とすには歯科医院であなたの歯並びにあった歯ブラシの動かし方、フロスや歯間ブラシの使い方を教えてもらうこと、
そして、自分では取り切れないプラークを定期的に歯科衛生士に除去してもらうことが大切です。
加齢や肥満、糖尿病などの全身の病気によって歯ぐきの抵抗力は落ちていきます。
若いときは多少磨き残しがあっても問題は起きませんが、歳を重ねるにつれ、若いときと同じセルフケアでは、プラークの攻撃力に歯ぐきの抵抗力が負けてしまうこともあります。
歯医者は痛みや異常のないときから定期的に通い、歯周病の兆候がないか診てもらうのがとても重要です。
そしていまのお口や体の状態に合ったセルフケアのしかたを教えてもらいましょう。
生活習慣のなかでも、歯周病の非常に大きいリスク要因となるのが喫煙です。
歯ぐきの抵抗力を減らし、プラークの攻撃力を増やします。
喫煙者は歯周病が10年速く進むというデータもあります。
加熱式タバコにも、ニコチンなどの化学物質は含まれています。
みなさんは、歯磨きをしていて血が出たとき、強く磨きすぎたかと思ってこれ以上磨かないでおこうと思っていませんか?
それは大間違いです。
歯周病になると、歯茎がプラークと接するところに潰瘍面(傷口)ができます。
潰瘍面やその周りの歯周ポケットには血液が溜まります。
その血液が歯ブラシで押し出されて、出血しているように見えるのです。
つまり、歯磨きをしていて血が出るというのは、その場所が歯周病になっている(またはなりかけている)サインです。
むしろ血が出る場所こそしっかり磨かないといけません。
年齢を重ねても健康で楽しい暮らしを継続するため、大切な歯を歯周病から守るために、歯磨きや歯科受診を欠かさないことが大切です。