女性と歯周病の関係
女性は男性に比べて歯周病にかかりやすいことはご存知ですか?
女性ホルモンは歯周病と深い関係にあり、分泌量の変化が歯周病のかかりやすさに影響を与えていることが分かってきました。
そのため、女性ホルモンのバランスが崩れやすい時期は特に、歯周病にかかりやすく、炎症を悪化させてしまうこともあります。
女性のお口の健康状態は、生涯のさまざまなステージによって変化します。
普段の月経周期でもホルモンバランスは変化するため、月経前に歯ぐきが腫れることもあります。ここでは、特にホルモンバランスが変化しやすい、『思春期』『妊娠・出産期』『更年期』の各ステージの口腔内の特徴について述べていきます。
ホルモンバランスが変化しやすい時期
思春期
女性が成熟して思春期に達すると、エストロゲン、プロゲステロンという性ホルモンの分泌が始まります。プロゲステロンは、歯肉に分布している血管系に作用して、炎症反応を増幅させます。
12歳から18歳のこの時期は、乳歯から永久歯への生え変わりがほぼ完了します。
しかし、生活が夜型になりやすく、スナック菓子や甘い食べ物など偏った食事を好むようになったり、歯みがきがおろそかになりがちです。
また、試験勉強などでストレスがかかり、免疫力も低下しがちです。
“歯ぐきが一時的に腫れたり、少しの刺激で出血する”“口の中がねばねばする”“口臭がする”などの症状が見られた場合、『思春期性歯肉炎』の可能性があります。
妊娠・出産期
妊娠すると女性ホルモンが大量に分泌され、歯ぐきが腫れやすくなります。さらに、唾液の分泌量が減るため、口腔内の自浄作用が低下します。つわりのひどい方は歯みがきが十分にできず、嘔吐の繰り返しや食事の好みの急激な変化で、お口のケアが不十分になりがちです。
このような理由から、妊娠中は口内環境が不衛生になりやすく、むし歯や歯周病を発症しやすい時期なのです。
また、「歯周病の妊婦は歯周病でない妊婦に比べ、未熟児・低体重児出産や早産となる確率が7倍も高い」という衝撃的なデータもあります。
歯周病原細菌は「プロスタグランジン」という毒素を放出します。この毒素は血管を通じて胎盤を通過し、胎児の成長に悪影響を与えたり、子宮筋を収縮させて早産を引き起こすのです。生まれてくる赤ちゃんのためにも、歯周病予防を行う必要があります。
更年期
女性ホルモンが減少する更年期は、心身ともにさまざまなストレスが重なり、その影響が最も口腔内症状に現れやすい時期です。知覚過敏や口臭、口腔内が乾いてべたつくドライマウス、舌がひりひりする舌痛症、味覚の感度が低下や変な味がする味覚異常が生じることもあります。
また、閉経後エストロゲンの分泌の低下により発症する「骨粗鬆症」で骨密度が低下すると、歯を支えている骨もやせてくるため、歯が抜けやすくなり、歯周病が悪化しやすくなります。
このように、女性と歯周病には深い関係があることがわかります。
歯周病を予防するために
そこで、歯周病を予防するためには普段から
① 歯や歯ぐきの状態のチェック
② 歯ブラシや歯間ブラシ、フロスを併用した念入りな歯みがき
③ 間食を控えるなどの生活習慣の見直し
④ 歯科医院での口腔ケアや定期メンテナンス
が大切です。
また、それぞれのライフステージで起こる口腔内の変化と向き合い、女性特有の歯周病のリスクを理解し、正しいお口のケアを心がけることにより、いつの時期も美しく健康的な口元を保つことができることでしょう。
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