歯茎が盛り上がってきた!これって悪いできもの!?~骨隆起のお話~
時々患者さんから「口の中に盛り上がっている所がある!何か悪い腫瘍ですか?」と質問を受けることがあります。
しかしそのほとんどが、骨隆起という歯茎やあごの骨に見られるでこぼことした『こぶ』のような突起です。
骨隆起の特徴
①だんだん大きくなる
初めは小さいですが、時間がたつにつれて徐々に大きくなり、自然に小さくなることはありません。
②触ると硬い
ぱっと見は腫瘍か骨隆起かは判断しにくいですが、腫瘍の場合は柔らかいのが特徴です。
逆に骨隆起の表面は粘膜ですが、中身は骨なので透けて白く見えることもあり、触ると硬いという特徴があります。
③触っても痛くない
口の中に炎症である腫瘍ができていると、触ると痛いですが、骨隆起は炎症ではないため痛みはありません。
ただし、出っ張っていることで歯ブラシや硬い食べ物があたりやすく、それによって痛むことはあります。
骨隆起の好発部位
①下顎隆起
下顎の内側、舌下に見られる半球状のふくらみです
②口蓋隆起
上顎の真ん中から喉の方に向かってできるふくらみです
③歯槽隆起
上下共に歯茎にできるふくらみです
骨隆起の原因
はっきりとした原因は不明ですが、主な原因は遺伝や噛む時の強い力によって、顎の骨に負担がかかり、その力の悪影響から骨を守るために、骨が肥大し盛り上がってくると考えられています。
普段食べ物を噛む力は体重と同等と言われていますが、就寝時など無意識の場合、体重の3~5倍の力が掛かっていると言われています。
よって歯ぎしりや食いしばりをする方は骨隆起ができやすいのです。
以前の松友歯科ブログ
でもお知らせしたように、噛む力の歯や顎の骨への負担は大きく、歯を失う3大原因は【歯周病】【虫歯】【破折(咬合力過多)】となっています。
骨隆起の予防法
顎の骨にかかる力を軽減させることで、骨隆起を予防することができます。
樹脂でできたマウスピースを就寝時装着することによって、歯ぎしり・食いしばりなどの強い力から骨を守ります。
治療が必要な場合
日常生活に特に問題がなければそのままで大丈夫ですが、大きくなりすぎて入れ歯が作れない、食事・発音がしにくいなど支障をきたす場合は除去することも必要です。
骨隆起を除去するには外科的手術が必要となり、一度取り除いても、噛み合わせによって再度骨隆起ができることもあります。
そうならないためにもマウスピースをつけていただくことをお勧めします。
お口の事で気になる事があれば、何でもご相談くださいね!
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