胃食道逆流症とブラキシズムの関係性とは
INDEX
胃食道逆流症はどんな病気?
胃食道逆流症は、一旦胃の中に入った食べ物や胃酸(胃液)が食道へ逆流することによって、食道の粘膜に炎症が起きたり、胸やけやどん酸などの不快な症状が現れたりする病気です。
胃食道逆流症の主な症状
どん酸…苦味や酸っぱさが食道から口に上がってくる不快な症状。
胸やけ…胸の辺りに痛みやムカムカ感があらわれる。
胃食道逆流症になりやすい人
- 食べ過ぎ
- 早食い
- 食べてすぐに横になる
- 肥満
- 高脂肪食をよく食べる
- アルコールをよく摂取する
- 辛い食品など刺激物が好き
- カフェインをよく摂取する
- 猫背
- 喫煙習慣がある
- ストレスが多い など
逆流はなぜ起きる?
下部食道括約筋の弛緩
胃酸の食道内への逆流を防ぐために、胃と食道のつなぎ目に「下部食道括約筋」があります。
これが緩むと逆流が起こります。
食道の酸のクリアランス能の低下
健康な人でも、胃液が食道に逆流することはありますが、食道に逆流した胃酸をすぐに胃内に戻す(洗い流す)機能が備わっています。
食道からの分泌や唾液の分泌、嚥下に続く食道の蠕動運動などが重要な働きをします。
過剰な胃酸分泌など
食生活の欧米化や、ヘリコバクターピロリ菌感染率の低下に伴い日本人の胃酸分泌量は増加傾向にあります。
胃酸分泌量が多いと食道内へ胃酸が逆流しやすくなります。
食道裂孔ヘルニアがある方
横隔膜の上にまで胃の上部がはみでている状態も逆流が起こりやすくなります。
ブラキシズムとは?
ブラキシズムとは、歯ぎしりや食いしばり、カチカチと噛み合わせたりする無意識的な口腔内の悪習癖の事です。
上下の歯が非機能的な接触を生じている状態を指し、歯や顎に負担をかけます。
本来リラックスした状態の時は、上下の歯の間には隙間がありますが、ストレスなどによって常にブラキシズムがあると、上下の歯が不必要に接して歯やお口周囲に負担がかかり、歯や顎の筋肉を痛めかねません。
胃食道逆流症とブラキシズムの関係は?
ブラキシズムは食道を守る自己防衛反応である可能性があります。(仮説)
ブラキシズムは、歯の咬耗などさまざまな症状を引き起こす好ましくない癖ですが、一方で、胃酸などの逆流から食道を守っている可能性があることがわかってきました。
- 胃酸の逆流が起こる
- 食道から「酸が来たよ、痛いよ」という感覚が脳へ伝達され、ブラキシズムが起こると考えられる
- ブラキシズム後に唾液を飲み込む
- 飲み込んだ唾液が食道へ流れたり、あるいは嚥下に続く蠕動運動が起こって食道の酸が洗い流される
- 唾液などが食道の粘膜を守る
ブラキシズムが引き起こすお口への悪影響
- 歯の咬耗
- 歯肉退縮
- 楔状欠損
- 知覚過敏
- 被せ物や入れ歯などの破損
- 歯や歯根の破折
- 咬筋肥大(エラ張り)
- 骨隆起(骨が盛り上がった状態)
- 顎の痛みや頭痛
ブラキシズムはお口や歯にさまざまな症状を引き起こします。定期的に歯科医院で影響が出ていないかチェックしてもらうようにしましょう。
ブラキシズムが原因で顎や歯の痛みがある方は、ナイトガード(マウスピース)を作製して顎や歯を保護しましょう。
胃食道逆流症の予防
- 早食い、高脂肪食、食べ過ぎ、食べた後すぐに横になるのを避ける
- アルコール、タバコ、カフェインが多く含まれる飲み物を控える
- お腹を締め付ける服は着ない
- 仰向け寝を避けたり、上半身を高くして寝る
胃食道逆流症の予防は、ブラキシズムの予防につながる可能性があります。
胃食道逆流症とブラキシズムは、口腔と消化器系の相互作用において意外な関連性を持っていることがわかりました。
さらなる研究と臨床的な観察が必要ですが、これらの疾患の理解を深め、適切な治療法を模索する上で重要な知見となります。
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