高齢者の誤嚥窒息事故・誤嚥性肺炎を防ぐために

お正月にお年寄りの方に特に多い事故、、、「誤嚥等の不慮の事故」のニュースを毎年耳にするたび悲しくなります。その中でとりあげられるのがお餅です。

お餅といえば「飲み込む力」が必要な食べ物ですが、この力は加齢と共に衰え、お餅などで窒息するリスクや誤嚥性（ごえんせい）肺炎など命に関わる病気を引き起こす可能性が増えてしまいます。

 

高齢者誤嚥窒息事故の危険ポイント

高齢者誤嚥窒息事故の危険ポイントとしては次のようなことが挙げられます。

 

• 「飲み込む力」が弱ってきている
• 認知機能の低下があるのに食事は自立している。
• よく咬めていないのに食べ物を口に詰め込んでいる。
• 奥歯の歯が喪失しており、よくかみ砕けない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もともと高齢の方は加齢と共に口腔内が乾燥しやすい為、食物の流れが悪いと考えられます。

一見柔らかそうな食べ物であっても奥歯で（なければ義歯をいれて）良く噛み、唾液の分泌を促すことで、喉をスムーズに流れていくように日頃から心掛けることがとても大切です。

また、松友歯科クリニックでは、お口の潤いを保つ、うるおいジェルやジェルスプレーも取り扱っておりますので、お気軽にスタッフまでご相談ください。

 

 

 

歯周病と誤嚥性肺炎

 

口の中のものを飲み込む動作が上手くできない状態を嚥下障害と言います。

嚥下障害があると飲み込む機能がうまく働かず唾液や食べ物が気管に入ってしまうことがあります。

気管に入った唾液や食べ物に含まれる細菌が肺に送り込まれ肺で炎症を起こすと、激しく咳き込んだり高熱が出たりします。

これがよく耳にする「誤嚥性肺炎」です。日本では肺炎は、がん、心疾患についで3番目に多い死因です。

肺炎で亡くなるのは、ほとんどが高齢者で、その中でも「誤嚥性肺炎」による死亡は7割～8割以上を占めると言われています。

 

近年は歯周病菌と全身疾患の関係が明らかになってきていますが誤嚥性肺炎も例外ではありません。

お口の中には様々な細菌が存在していて、よい菌もあれば悪い細菌も存在します。

誤嚥性肺炎を予防するにはお口を清潔に保ちお口の細菌を減らすのはもちろん

• 飲み込む力を保つ
• 病気に対する抵抗力を高めることです。

今回のお餅を飲み込む力に関しては、気づかない間に衰えてしまうため、お餅は大丈夫と思って食事をすることで事故につながる可能性があります。

 

飲み込む力を保つためのトレーニング

 

⓵食事前の準備体操・マッサージ

口や頬などの筋肉を動かし、嚥下の準備をおこなうことで誤嚥を防ぎます。また、首の筋肉にも力が入っているとスムーズに動かせないため、首を左右に動かしたり、マッサージをおこなうことも有効です。

②発声・発音練習

声を出して発音することで口周辺の筋肉を動かすので、口腔機能の改善に有効です。

あいうべ体操

できるだけ大きく大きく口を動かして「あ・い・う」をした後に、思いっきり前に舌を出して「べ～」とするのがポイントです

 

 

歯科検診でご自身の飲み込む力を把握しましょう！

飲み込みが上手くできているかは、後期高齢者歯科検診で調べるとこができます。

「後期高齢者検診のクーポン券」がお住まいの市から届いている方は、受診をおすすめします。

 

【反復唾液嚥下テスト】

30秒間で何回唾液を飲み込むことができたかを計測します。

飲み込めた回数が2回以下の場合は、摂食嚥下障害の可能性が高くなります。

実際にやってみると意外と難しく感じる方も多いと思います。検診で気づくことで対策ができれば大きな事故を防ぐことができるかもしれません。

ほかにも口腔乾燥状態や咀嚼機能、そしてむし歯、歯周病の進行状態も確認することもできます。

 

 

 

まとめ

何歳になっても食事を美味しく食べれるということは、精神的な若さを保つためにもとっても大切だと思います。

そのためにも歯周病や虫歯の予防をし口腔ケアを習慣化することが、年齢を重ねた時の摂食嚥下機能に大きく関わります。

松友歯科クリニックにて後期高齢者検診受診希望の方は、あらかじめ問診票記入をし、受診予約電話の時点で「後期高齢者検診クーポン」使用をお伝えいただけたらと思います。

お口と体の健康を一緒に目指しましょう！

 

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