セラミック治療では歯を削る?メリット・デメリットを解説!
こんにちは。愛媛県松山市にある松友歯科クリニックです。
「セラミック治療では歯を削るって本当?」「歯を削って痛みはないの?」と疑問に思う患者さまもいるでしょう。今回は、セラミック治療で歯を削るメリット・デメリットや、歯を削らない方法があるかどうかについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
INDEX
セラミック治療では歯を削ることがある?
結論からお伝えすると、セラミック治療で歯を削ることはあります。セラミック治療で歯を削るケースは、以下のとおりです。
虫歯治療で歯を削る
虫歯治療で歯を削った部分にセラミックを入れるケースです。虫歯部分の大きさによって、セラミックがインレー(詰め物)になるかクラウン(被せ物)になるかが変わります。
虫歯治療自体は審美目的ではないですが、セラミックは保険適用されないため高額になる傾向があります。セラミックは割れやすいため銀歯などの金属よりも厚く製作しなければならず、歯を大きく削る必要があるでしょう。
ラミネートベニアをつけるために削る
ラミネートベニアは、患者さまご自身の歯の表面をわずかに削って、セラミックでできたシェルを貼りつける審美目的の治療です。矯正治療やホワイトニングとは異なり、短期間で見た目の印象を変えられることが特徴でしょう。
セラミック治療で歯を削るメリット
セラミック治療で歯を削るメリットは、以下のとおりです。
詰め物・被せ物の耐久性が高まる
セラミック治療で歯を削る大きなメリットは、詰め物や被せ物の耐久性を高められることです。歯を適切に削ることで、セラミック製の詰め物・被せ物が歯としっかり密着するようになるのです。ぐらつく、外れるなどのトラブルを防げるでしょう。
セラミックに限らず、詰め物や被せ物の寿命は、どれだけしっかりと歯と密着しているかに左右されます。歯を削って土台を整えることで、長く詰め物・被せ物を使えるようになるのです。
セラミックは非常に丈夫で、適切にケアすれば10年程度使用できるとされています。
口内環境の改善につながる
セラミック治療で、虫歯や損傷した部分を適切に除去することで、口内環境を改善できます。虫歯を除去しなければ、ほかの歯も虫歯になって治療が必要になるかもしれません。
セラミック治療で歯を削ることで、さらなる歯の損傷を防ぎ健康な口内環境を維持することができるのです。
セラミックは非常になめらかなので、プラークや細菌が付着しやすいです。清潔に保ちやすいため、二次虫歯のリスクも低いといわれています。
審美性を改善できる
セラミック治療のなかでも、特にラミネートベニアを行う場合、前歯の審美性が改善されます。ラミネートベニアは、非常に薄いセラミックのシェルを歯の表面に貼りつける方法です。
歯の表面をごくわずかに削るだけなので、痛む・しみる症状が現れることは基本的にありません。
ラミネートベニアは、歯の色が気になる方や、前歯部分の歯並びが少し不揃いで気になる方に非常に効果的です。ラミネートベニアによるセラミック治療は、審美性を重視する方に適した治療といえます。
セラミック治療で歯を削るデメリット
セラミック治療で歯を削る場合、デメリットも理解しなければなりません。セラミック治療で歯を削るデメリットは、以下のとおりです。
削った部分はもとに戻らない
セラミック治療では、銀歯と比較すると歯を大きく削ります。セラミックは銀歯よりも強度がないので、十分な耐久性を実現するためには厚くしなければならないためです。
必要最低限の虫歯部分だけではなく、健康な部分も削るケースがあるのです。神経まで到達する場合は、神経を除去する処置を受けなければなりません。
一度削られた歯は、二度ともとの状態には戻りません。神経をもとに戻すこともできないでしょう。
知覚過敏になりやすい
神経に近い部分まで歯を削った場合、知覚過敏になりやすいです。熱いものや冷たいものがしみる・痛むなどの症状がある場合は、歯科医院で対処してもらいましょう。
ご自宅では、知覚過敏用の歯磨き粉を使用すると、ある程度痛みを軽減できます。
歯が弱くなる
セラミック治療で歯を削る量が大きく神経を除去するケースでは、歯の寿命を縮める可能性があります。神経を除去した歯は、弱くなるからです。
虫歯が神経まで到達しており、取らざるを得ないときは仕方ないですが、セラミックを入れるスペースを確保するためだけに神経を除去する場合、慎重に検討しなければなりません。
強い衝撃で割れることがある
セラミックは、ガラスや食器のように強い衝撃を与えると割れる材料です。野球やソフトボールなどの趣味がある患者さまは、顔にボールが当たらないように注意してください。
食いしばりや歯ぎしりの癖がある方も、セラミックが割れる可能性があります。歯ぎしりや食いしばり用のマウスピースを製作して、セラミックを保護しましょう。
セラミック治療で歯を削る量
セラミック治療で歯を削る量は、治療方法や使用するセラミックの種類によって異なります。
被せ物の目安は、前歯の場合0.8~1.5mm、先端部分は1.0~2.0mmほどのスペースが必要です。奥歯は、0.8~1.0mm、咬合面は1.0~2.0mmほどのスペースが必要でしょう。
ラミネートベニアの場合、歯を削る量は0.3~0.5mmほどです。被せ物を作るときと比べると削る量は少なくなります。
歯を削って痛みは出ないのか?
セラミック治療で歯を削って痛みが出るのか、痛みに弱い患者さまは気になるでしょう。
セラミック治療で歯を削るときに痛みが出る可能性があるのは、以下のタイミングです。
麻酔をするとき
セラミック治療で歯を削るときに、痛みを緩和するために麻酔をするケースがあります。麻酔は注射で注入するので、針が刺さる痛みを感じるでしょう。
近年では表面麻酔を行ってから、局部麻酔を行う歯科医院が増加しています。痛みをより感じにくくする方法はあるので、心配な方は事前に相談しましょう。
麻酔の量が少なかったとき
痛みに敏感な方や麻酔が効きにくい体質の方の場合、麻酔の量が足りずに痛みを感じることがあります。歯を削っている途中でも、痛みが出たら手を上げて歯科医師に知らせてください。すぐに麻酔を追加してくれるでしょう。
無理せずに早めに知らせれば、しっかりと麻酔の効いた状態で治療を進められます。
虫歯や歯周病で炎症が酷いとき
虫歯や歯周病で炎症が酷い状態では、麻酔が効きにくいです。麻酔が効きにくい状態の場合、痛み止めも効きにくいことが多いです。
激しい痛みが出るほど炎症が広がる前に、治療を受けるようにしてください。
歯を削らない方法はある?
虫歯治療の場合は、虫歯になっている部分を削らなければなりません。歯を削らずにセラミック治療をするのは難しいでしょう。
ラミネートベニアなど、審美目的でセラミック治療を検討している場合は、歯を削らずに見た目を改善できることがあります。前歯部分の歯並びが気になる場合は矯正治療、歯の色が気になる場合はホワイトニングが適しています。
矯正治療は、専用の器具を用いて歯を動かし、歯並びを整える治療です。ホワイトニングは、特殊な薬剤を用いて歯を白くする治療です。
どちらの施術もラミネートベニアより時間がかかることが多いですが、歯を削らずに審美性を高めたい場合は検討するとよいでしょう。
まとめ
セラミックは、薄く製作すると割れるリスクが高まります。ある程度厚く作らないといけないため、基本的に歯を削ることになるでしょう。
虫歯治療の場合は、虫歯になっている部分を削って、セラミックの詰め物や被せ物を入れます。銀歯と同じだと思う方がいるかもしれませんが、銀歯よりもセラミックのほうが歯を削る量は多いです。そのため、健康な部分も削る可能性があるでしょう。
ただし、セラミックは長期間使用しても劣化しにくく、金属アレルギーの心配がないなど、メリットが多い治療です。銀歯とセラミックのメリット・デメリットを考慮して、比較しながら検討しましょう。
審美目的でラミネートベニアを検討している患者さまは、矯正治療やホワイトニングで改善できるかもしれません。歯を削らずに受けられる可能性があるので、歯科医師に相談するとよいでしょう。
歯を削ると、二度ともとには戻せません。歯科医師とよく相談して、患者さまに最も適した治療を選択してください。
セラミック治療を検討されている方は、愛媛県松山市にある松友歯科クリニックにお気軽にご相談ください。