セラミックの歯の寿命は?寿命を短くする要因と長持ちさせる方法
こんにちは。愛媛県松山市にある松友歯科クリニックです。
セラミックは、天然歯に近い色味と質感を再現できる素材です。セラミックの歯は銀歯やレジンに比べて長持ちするといわれていますが、具体的にはどのくらいの寿命があるか気になる方も多いでしょう。
本記事では、セラミックの歯の寿命や長持ちさせる方法について解説いたします。すでにセラミックを使用している方や、今後セラミックの使用を検討している方の参考になれば幸いです。
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セラミックの歯の寿命は?
セラミックも長い間使用していると、徐々に劣化して寿命を迎えます。大体の寿命を把握しておくことで、交換の時期や費用の確保に役立つでしょう。
セラミックの寿命は使用している種類によって異なります。ご自身のセラミックの寿命がどのくらいなのか確認しましょう。
オールセラミック
オールセラミックとは、金属やプラスチックなどの他の素材を一切使用しないセラミックです。歯の形や色をほぼ完全に再現できる、最も審美性の高いセラミックの歯です。
その寿命は10~20年程度といわれ、比較的長いです。
メタルボンド
メタルボンドとは、金属のフレームにセラミックを焼き付けた構造の歯です。金属のフレームが強度を保ち、外側のセラミックが審美性を確保します。
寿命はオールセラミックよりも短く、5~10年程度といわれています。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックとは、セラミックとレジンの混合物でできた素材のことです。セラミックの強度とレジンの弾力性を兼ね備えており、オールセラミックとメタルボンドの中間的な性質を持っています。
寿命は5~10年程度と言われています。
ジルコニア
ジルコニアは、天然の鉱物であるジルコニウムから作られた人工的な素材です。硬度が高く耐久性に優れているため、クラウンやインレー、ブリッジなど、さまざまな歯科治療においては用いられています。
ジルコニアの寿命は10~20年程度といわれています。
セラミックの寿命を短くする要因
セラミックの歯の寿命を短くする要因には、以下のようなものがあります。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりによってセラミックの歯に強い力がかかると、ひびや欠けを引き起こすことがあります。歯ぎしりや食いしばりをしている場合は、マウスピースを使用するなどして歯にかかる圧力を軽減することが重要です。
歯ぎしりや食いしばりの癖があっても、自覚していない方が非常に多いです。歯科医院で歯の状態を見て指摘されて発覚することが多いため、心配な方は歯医者に相談してご自身の癖の有無を確認しましょう。
歯との適合状態が悪い
セラミックの歯が口の中で正しくフィットしていない場合、セラミック歯が破損することがあります。噛み合わせの問題が生じて、歯への負荷が大きくなるためです。
歯との適合状態が悪いと、歯の根本で炎症が起きる場合があります。歯茎が腫れるなどの症状が出ることもあるでしょう。
心当たりがある方は歯科医院に相談して、適合状態を改善してもらいましょう。
外から強い衝撃を受けた
セラミックはお茶碗などの食器と同じで、硬度は高いですが衝撃に弱いです。強い力が加わると、欠けやひび割れが簡単に生じます。
よくある例としては、スポーツが挙げられます。球技中にボールが口元に当たる場合や、格闘技で衝撃が加わった場合などです。スポーツ中の食いしばりも、強い衝撃となりセラミックの破損の原因になります。
衝撃が加わる可能性があるときは、マウスガードを装着するなどの対策が必要です。
不適切な口腔ケア
治療を受けたあと、口腔ケアが不十分だとセラミック歯の寿命が短くなる可能性があります。不適切な口腔ケアは虫歯や歯周病を発生・悪化させるため、セラミックの破損や脱落につながるのです。
毎食後に歯磨きをしていない、フロスや歯間ブラシを使用していないなど、日々のケアが不十分だとセラミックの寿命に影響を及ぼすでしょう。定期検診を受けていない場合も、寿命が短くなる傾向があります。
歯科医師からの口腔ケアに関するアドバイスを聞き、適切なケアを確実に行いましょう。
セラミックの歯を長持ちさせる方法
セラミックの歯には寿命があります。扱い方によっては早めに破損する場合や交換が必要になる場合もあるため注意が必要です。セラミックは決して安いものではないため、できるだけ長持ちさせたいと考える方が多いでしょう。
セラミックを長持ちさせるための方法をご紹介します。
マウスピースを着用する
セラミックの歯を長持ちさせるためには、マウスピースを着用することが大切です。マウスピースは歯を保護し、損傷や摩耗を防ぐ役割があります。
特に、歯ぎしりや食いしばりをしている人は、マウスピースを使用することで歯に掛かる負荷を軽減できるでしょう。スポーツをする人も、マウスピースを着用することで歯を守れます。
適切なタイミングでマウスピースを使用することで、セラミックの歯をより長持ちさせましょう。
定期的に検診を受ける
セラミックを装着している場合、必ず定期的に検診を受けましょう。歯のメンテナンスを怠らないことが重要です。
検診を受ければ、歯の状態を詳しく調べてもらえます。セラミックが長持ちするようにメンテナンスできるのです。
特にセラミックの寿命を縮める原因でもある虫歯や歯周病、歯ぎしりなどを早期に発見できるでしょう。早期治療につながるため、セラミックを長持ちさせられます。
セラミックを使用している方は数か月に1回、最低でも半年に一回は必ず検診を受けましょう。
正しい口腔ケアを行う
前述した通り、セラミックの歯を長持ちさせるためには正しい口腔ケアが欠かせません。セラミックの歯は、天然歯よりもケアに注意が必要です。
硬いブラシや研磨剤入りの歯磨き粉を使用すると、セラミックの表面に傷が付くことがあります。柔らかめの歯ブラシと研磨剤が入っていない歯磨き粉を使用して丁寧に磨きましょう。歯と歯の間にはフロスや歯間ブラシを使用し、汚れを丁寧に除去します。
毎日の口腔ケアはもちろん、定期的に歯科医院で検診を受けることも大切です。病気や異常の早期発見・治療につながり、セラミックの歯の寿命を延ばせます。
セラミックの歯が寿命を迎えたらどうしたらいい?
セラミックの歯が寿命を迎えた時、特に外れてしまうとどうするべきか悩む方が多いでしょう。適切に対処しなければ、問題が悪化する可能性もあります。
セラミックの歯が寿命を迎えた時に注意すべきことをご紹介します。
口内を清潔に保つ
セラミックの歯が取れた後の口腔ケアは、感染や二次的な問題を防ぐために非常に重要です。柔らかい歯ブラシを使用して、優しく丁寧に歯を磨いてください。特に、セラミックが取れた場合は慎重に歯磨きしましょう。
抗菌作用のあるマウスウォッシュを使用することで、口内を清潔に保つことができます。セラミックが外れた歯は弱くなっているので、刺激が強い製品は避けると良いでしょう。
歯科医院を受診する
セラミックの歯に異常を感じたら、まずは早急に歯科医院を受診しましょう。特に、セラミック治療を受けた歯が痛む場合や、明らかな損傷が見られる場合は、可能な限り早く歯科医院を受診してください。
虫歯や歯周病が原因でセラミックの適合状態が悪くなり、外れてしまうことがあります。その場合、放置すれば症状が進行し、最悪の場合ご自身の歯を失うことになるでしょう。
歯科医師は、セラミックや天然歯の状態を正確に診断し、適切に対処します。
自分で戻そうとしない
セラミックの歯が割れたり外れたりした場合、ご自身で治そうとすることはやめてください。まず、市販されている接着剤は口内に使っていいものではありません。
また、適切に歯に接着できる可能性は非常に低いでしょう。わずかでも段差や隙間が生じると、汚れが付着して虫歯や歯周病を引き起こします。
口内の環境が悪化するかもしれないので、寿命を迎えたセラミックをご自身で戻そうとしないでください。
取れた場合は患部を触らない
セラミックの歯が取れた場合、患部を触らないことも重要です。セラミックが入っていると言うことは、歯を削っていると言うことでしょう。
通常の歯よりも刺激に弱くなっているので、無理に触れると炎症を引き起こしたり、感染のリスクを高めたりする可能性があります。また、硬いものや極端に熱い・冷たいもの、辛いもの、酸味が強いものなどは避けたほうが良いでしょう。
取れたセラミックを保管する
セラミックの歯が取れた場合、それを適切に保管することも大切です。取れたセラミックや土台の歯に問題がなければ、付け直せることもあります。
ジップ付きの袋や小さめのタッパーに入れるなど、失くさないように保管しましょう。受診する際に持参すれば、歯科医師が状態を確認してくれます。
まとめ
今回は、セラミックの寿命や長持ちさせる方法について解説いたしました。
セラミックの歯は、天然歯に近い色味と質感を再現できる審美性の高い治療です。セラミックの歯の寿命は種類によって異なりますが、5~20年程度といわれています。
セラミックの寿命を縮める原因として、歯ぎしりや食いしばり、虫歯、外からの強い衝撃などが挙げられます。定期的な検診やメンテナンスを受け、正しい口腔ケアを行うことが重要です。状況に応じてマウスピースを着用して、強い力がかかることを避けましょう。
少しでもセラミックに異常を感じたら、すぐに歯科医院に相談してください。
セラミック治療を検討されている方は、愛媛県松山市にある松友歯科クリニックにお気軽にご相談ください。