FKO(アクチバトール)矯正とは?効果・向いている人・注意点を解説!
こんにちは。愛媛県松山市にある松友歯科クリニックです。
FKO(アクチバトール)矯正は、成長期にある子どもたちの歯並びの乱れを治療する方法です。装置を使って顎の成長を誘導することで、歯並びだけでなく顔のバランスも整えられます。
しかし、その効果や適応症例、注意すべき点については十分に理解しておく必要があります。
今回は、FKO矯正について詳しく解説し、効果やメリット・デメリット、有効な症例をご紹介します。FKO矯正に興味を持っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
INDEX
FKO(アクチバトール)矯正とは?
FKO(アクチバトール)矯正とは、取り外し可能な装置を使用して歯並びを整える方法です。おもに、下顎の発育不足が原因の上顎前突の治療に使用されます。
上顎前突とは、いわゆる出っ歯の状態のことを指します。ほかにも、上顎よりも下顎が前に出た状態(反対咬合)の治療にも用いられます。
矯正装置はレジン床と呼ばれるプラスチック部分と、誘導線と呼ばれるワイヤー部分からなり、アクチバトール自体に歯を動かす力はありません。歯に力をかけるワイヤー矯正とは異なり、筋肉の機能を利用して治療します。
顎の成長を促したり抑制したりすることで、不正咬合を改善するのです。また、アクチバトール矯正は、おもに乳歯と永久歯が混在する成長期のお子さまの矯正に用いられます。
FKO矯正の効果
アクチバトール装置を装着すると、下顎が前進したり後退したりします。それにより、下顎の成長を促進・抑制して噛み合わせを整えます。
例えば、上顎前突の場合には、下顎を前進させられるように矯正装置を作成します。反対咬合の場合には、下顎を後退させられるように調整します。
装置によって筋肉の使い方を変化させることにより、噛み合わせを適切な位置に整えます。
FKO矯正のメリット
FKO(アクチバトール)矯正にはどのような利点があるのでしょうか。ここでは、アクチバトール矯正のメリットについて解説します。
矯正装置を自由に取り外しできる
FKO矯正では、矯正装置を自由に取り外すことが可能です。矯正装置を装着し続けるワイヤー矯正とは異なり、食事の際や見た目が気になるときなどは自由に外せるのがメリットといえるでしょう。
見た目を気にせずに、噛み合わせを整えることができます。
日中に装着する必要がない
アクチバトール矯正の装置は自由に取り外し可能なことに加え、基本的に日中に装着する必要がありません。矯正装置の取り外しができないワイヤー矯正や、1日に22時間以上装着する必要があるマウスピース矯正よりも、続けやすいでしょう。
例えば、混合歯列期にある活発なお子さまの場合、装置を装着して活動すると矯正措置が破損して口の中を傷つけるリスクがあります。マウスピース矯正の場合、紛失することもあるでしょう。
このようなリスクがないのは、大きなメリットです。
口腔ケアがしやすい
装置を自由に取り外せるため、口腔ケアがしやすいことも利点のひとつです。歯に直接矯正装置を装着するワイヤー矯正では、どうしても歯磨きがしにくくなります。
その結果、食べカスや汚れが矯正装置の周りや歯と歯の間に溜まり、虫歯や歯周病を引き起こすこともあるでしょう。矯正治療中に虫歯や歯周病になった場合には、矯正治療を一時中断して虫歯や歯周病の治療をおこなう必要があります。
しかし、FKO(アクチバトール)矯正ではそのような心配はなく、普段通りに歯磨きができます。結果的に、仕上げ磨きをする保護者の方の手間や不安も軽減できるでしょう。
FKO矯正のデメリット
アクチバトール矯正にはデメリットも存在します。ここでは、4つのデメリットについて解説します。
メリットとデメリットのどちらも確認した上で、治療を受けるか検討してみてください。
装着時間が不足すると効果が得られない
FKO矯正では、就寝時に1日10時間以上矯正装置を装着する必要があります。自由に取り外しできることがアクチバトール矯正のメリットですが、装着し忘れのリスクが高い点には注意が必要です。
また、お子さまの場合には自分だけで管理するのが難しいでしょう。保護者の方が寝る前に必ずチェックすることが大切です。
装着時間の不足が頻繁に起こった場合には、十分な効果が得られません。治療期間が延びる可能性が高まるでしょう。
矯正装置を保護者が管理する必要がある
FKO(アクチバトール)矯正では、矯正装置を日中に持ち歩く必要がないため、マウスピース矯正に比べれば破損や紛失のリスクは低いといえます。
しかし、矯正装置を取り外した際に、どこに置いたか忘れてしまったり踏みつけて破損したりすることは考えられるでしょう。破損・変形で装着できなくなれば、治療計画通りに治療が進まなくなります。
また、作り直しが必要になれば、追加で費用がかかったり矯正期間が延びたりすることも考えられます。そのため、アクチバトール矯正では保護者の方がしっかりと矯正装置を管理することが重要です。
適応できない症例もある
アクチバトール矯正は、どのような症例にも適応できるというわけではありません。アクチバトール矯正で治療できるかどうかは歯科医師が判断するため、場合によっては他の矯正治療を選択する必要があるでしょう。
まずは、詳しい検査を受けることが大切です。
成長が止まると効果が得られない
FKO矯正は、お子さまの成長を利用して顎の成長を促進したり抑制したりする矯正方法です。そのため、成長力が乏しい場合や成長が止まった場合には、思うような効果が得られなくなるでしょう。
顎の成長は5歳までに40~45%、10歳頃までに80%ほど完了するといわれています。FKO矯正を含む、小児矯正を検討している方は、できるだけ早い段階で一度歯科医院に相談したほうがよいかもしれません。
FKO矯正が有効な症例
アクチバトール矯正が有効な症例はさまざまですが、主に用いられるのは以下の3つです。
上顎前突(出っ歯)
上顎前突(じょうがくぜんとつ)とは、いわゆる出っ歯のことで、上の顎が下の顎よりも前に出ている状態を指します。特に、下顎が上顎に比べて成長していないことが原因で上顎前突となっている場合、アクチバトール矯正が有効でしょう。
反対咬合(受け口)
反対咬合(はんたいこうごう)は受け口とも呼ばれ、上下の歯を噛み合わせたときに下の歯が上の歯よりも前に出た状態を指します。
ただし、FKO(アクチバトール)で治療できるのは骨格が原因でない場合のみです。つまり、下顎が上顎よりも成長することにより、常に前に出ている状態では効果が期待できません。
交叉咬合
交叉咬合(こうさこうごう)とは、上下の歯を噛みわせたときに左右にずれて、部分的に噛み合わせが交叉してしまう状態のことを指します。
交叉咬合についても、上下の顎のアンバランスが原因で引き起こされていることがあります。この場合、アクチバトールを用いて上下の顎のバランスを整えることが有効です。
FKO矯正の装置を使用するときの注意点
FKO矯正の装置を使用するときには、いくつか注意すべき点があります。
1日10時間以上装着する
アクチバトール矯正では、矯正装置を24時間装着し続けるわけではありません。基本的には、夜寝ている間に装着します。
1日に10時間以上は矯正装置を装着する必要があり、装着時間が不十分であれば効果が期待できなくなるでしょう。FKO(アクチバトール)矯正は成長期のお子さまに行うので、お子さまが矯正装置をしっかりと装着できるように保護者の方が協力することが大切です。
破損や紛失に気を付ける
FKO矯正の装置はワイヤー矯正などとは異なり、自由に取り外しが可能です。おもに就寝時に使用するため日中に持ち出す機会はありませんが、保管方法には気を付けましょう。
例えば、朝どこで外したか分からなくなって紛失したり、部屋の中に無造作に置いて踏んづけてしまったりするリスクも考えられます。万が一紛失した場合には、装置の作り直しが必要となり、追加費用がかかることもあるでしょう。
FKOの矯正装置を取り外した際には、必ず置き場を決めて保管することが重要です。着脱の際には、保護者の方が見守ってあげてください。
口呼吸では使用できない
口呼吸で常に口が開いた状態では、装置が固定されないため効果が期待できなくなります。鼻呼吸の場合、寝ている間でも口が閉じた状態になるため装置が固定されますが、口呼吸の癖があるお子さまは注意が必要でしょう。
また、口呼吸では口腔内が乾燥しやすく、虫歯や歯周病のリスクも高まります。そのほか、歯並びが乱れる原因にもなりますので、まずは口呼吸であることを歯科医師へ伝えるようにしてください。
まとめ
FKO矯正とは、乳歯と永久歯が混在している6歳~12歳頃のお子さまの噛み合わせの治療方法のことです。歯に力をかけるワイヤー矯正とは異なり、顎の筋肉の力を利用して成長を促進・抑制するため、顎の成長を利用して無理なく治療できるという特徴があります。
取り外しが可能で、基本的に夜寝ているときに装着すればよいため、見た目を気にせずに使用できます。治療が難しい症例もあるため、まずは歯科医院で相談するようにしましょう。
FKO(アクチバトール)矯正を検討されている方は、愛媛県松山市にある松友歯科クリニックにお気軽にご相談ください。
当院では、一般歯科や小児歯科・小児矯正、ホワイトニング、インプラントなど、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、お電話でのご予約もお待ちしております。