インプラントの治療は痛い?対処法と手術後の過ごし方を解説!
こんにちは。愛媛県松山市にある松友歯科クリニックです。
「インプラント治療を受けたいけど、痛いのは怖い」「インプラント術後はいつまで痛いの?」など、インプラントの治療には手術が必要になるため、痛みを心配される方は少なくありません。どの程度の痛みなのか、どれくらい続くのか事前に知っておくと、安心して治療を受けられます。
今回は、インプラント治療の痛みについて解説します。痛いと感じる場合の対処法や手術後の過ごし方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
INDEX
インプラントとは?
インプラントとは、顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、上部構造(人工歯)を装着して失った歯を補う治療のことです。歯を失った治療法としては入れ歯やブリッジが一般的でしたが、近年は機能性や審美性の高さから、インプラントを希望する人が増えています。
インプラントの構造
インプラントは、3つのパーツから成り立ちます。
インプラント体(人工歯根)
インプラント体は、インプラントを支える土台になる部分です。ネジのような形をしているスクリュータイプが一般的です。
直径3~5mm、長さ6~18mmで、インプラントを埋め込む場所や顎の状態などによって使用するサイズを変更します。
アバットメント(支台)
インプラント体と人工歯を接続する部品です。アバットメントには高さを調節する役割もあり、歯茎の厚みやインプラントの埋入角度などを考慮し、最適なものが使用されます。
上部構造(人工歯)
失った歯の代わりになる人工歯です。咀嚼による破損を避けるため、強度の高いセラミックが材料として使われることが多いです。
前歯のように目立つ場所でも、天然歯と見分けがつかないほど自然に仕上がります。
インプラントのメリット・デメリット
インプラントは自然な見た目でしっかり噛めるなど、多くのメリットがある治療法ですが、デメリットもあります。インプラント治療を開始する前に、メリット・デメリットを理解しておきましょう。
<インプラントのメリット・デメリット>
メリット |
デメリット |
・しっかりと強く噛める ・審美性が高い ・取り外す必要がない ・食べ物の味・温度を損なわない ・ほかの歯に負担をかけない ・隣の歯を削る必要がない ・発音に影響しない ・インプラントの歯は虫歯にならない |
・外科処置に伴う痛みや腫れ、出血、合併症のリスクがある ・ケアを怠ると感染症を起こす可能性がある ・治療期間が比較的長い ・定期的に歯科医院でメンテナンスを受けなければならない ・治療費が高い ・持病などによっては治療を受けられない |
歯を失って入れ歯やブリッジにした場合、装着時に違和感がある、食べ物が挟まるなど、ご自身の歯のようにうまく噛めません。
インプラントは人工歯根を顎の骨に埋め込むことでしっかり固定されているため、ご自身の歯のように強く噛めます。歯を失う前と同じように食事を楽しめるのは、インプラントの大きなメリットといえるでしょう。
しかし、外科手術が必要になるため体への負担が大きいなど、デメリットもあります。インプラントは基本的に自費診療になるため、費用も高額です。
メリットとデメリットを理解し、納得して治療を受けることが大切です。
インプラントの治療は痛い?
インプラント治療では、どのようなときに痛いと感じるのでしょうか。インプラント治療で痛みを感じるタイミングは、以下のとおりです。
インプラント手術の痛み
インプラント手術中は、基本的に痛みは感じません。手術を行う際は局所麻酔を投与して痛みを消失させるためです。
麻酔の効き方には個人差がありますが、調整できるため過度に心配する必要はありません。局所麻酔を注射するときは歯茎に針を刺すため痛いですが、すぐに治まるでしょう。
手術に対する不安や恐怖が強い場合は、静脈内鎮静法を併用して手術を受けられます。点滴で鎮静剤や麻酔薬を投与することで、リラックスした状態で手術を受けられるでしょう。
インプラント手術直後の痛み
インプラント手術直後は、麻酔が切れたタイミングで痛いと感じやすいです。手術では歯茎を切開し、骨に人工歯根を埋め込んで縫合するため、痛みや腫れが生じないことはないでしょう。
また、骨の厚みを増やす骨造成を行った場合、痛みや腫れが出やすくなります。
インプラント手術後の痛み
インプラント手術後、傷口が完全に治るには1か月前後かかります。インプラントの歯に負担や衝撃が加わると、痛みや腫れ、出血を引き起こすでしょう。
歯に負担がかかる硬い食べ物は避け、歯を磨くときに傷口に触れないようにしてください。
抜糸の痛み
インプラント手術後1週間程度経過したら、抜糸を行います。抜糸の際に痛いと感じる場合がありますが、処置はすぐに終わるため心配いりません。
縫合した部分に強い負担がかかると傷口が裂ける可能性があるため、患部を触らないようにしましょう。
インプラントの治療による痛みはどれくらい続く?
インプラント治療では、手術後に麻酔が切れたときが最も痛いと感じるでしょう。手術後1~2週間は痛みや腫れが続く可能性があります。手術後の痛みや腫れは正常な経過で、時間とともに落ち着きます。
1~2週間以上経過しても痛みが続く場合は、術後感染やインプラントの不具合など、何らかの問題が起きているかもしれません。歯科医師に相談し、確認してもらってください。
インプラントの治療で痛いと感じたときの対処法
時間の経過とともに、インプラント治療による痛みは治まります。
しかし、長ければ1~2週間痛みが続く場合もあります。痛いと感じたときの対処法は、以下のとおりです。
硬い食べ物を避ける
噛む力が歯に加わると、痛みが強くなる場合があります。インプラント治療後1週間程度は、インプラントで噛まないようにしましょう。
煮込んだ麺類や豆腐、プリン、ヨーグルトなど、歯に負担をかけない柔らかい食べ物を選んでください。
h3 傷口に触れない
インプラント手術後、歯ブラシが傷口に触れると痛みや出血を引き起こします。抜糸が完了するまでは、やわらかめの歯ブラシを使用して傷口に負担をかけないように歯を磨きましょう。
鎮痛剤、抗生剤を指示どおりに服用する
インプラント手術後は、麻酔が切れたタイミングで痛いと感じることが多いです。処方された鎮痛剤を服用することで、痛みを緩和できます。
1~2週間経っても生活に支障が出るような痛みが続く場合は、歯科医院に相談しましょう。また、インプラント手術後に処方される抗生物質は術後感染を予防するために非常に重要です。医師の指示に従い、必ず服用しましょう。
適度に冷やす
腫れや痛みが出ているときは、患部を適度に冷やすと痛みを軽減できます。
ただし、冷やしすぎると血行が悪くなり、傷の治りが遅れる可能性があります。インプラント体の定着に悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
氷や保冷剤をタオルで包み、患部に当てて冷やしてください。
インプラント手術後の過ごし方
痛みや腫れを抑え、傷口の回復を促すための手術後の過ごし方をご紹介します。
飲食物に気をつける
インプラント手術後、麻酔が切れるまでは飲食を控える必要があります。麻酔でお口の感覚が麻痺していると、頬や舌などを噛む可能性があるためです。
また、インプラント手術後1週間程度は硬い食べ物や刺激のある食べ物は控え、インプラントの歯で噛まないようにしましょう。歯や歯茎に負担がかかり、痛みや腫れ、出血が長引く可能性があります。
傷口に負担をかけないように歯を磨く
歯ブラシによる傷口への刺激を避けるため、抜歯するまでは手術部位の歯磨きは控えましょう。痛みや腫れ、出血の原因になります。
やわらかめの歯ブラシを使用し、傷口に負担をかけないように磨いてください。
安静にする
インプラント手術後は、回復のため安静にしましょう。運動は血行を促進させるため、軽い運動は手術から2~3日、激しい運動は1週間程度控えたほうがよいとされています。
入浴を避ける
インプラント治療後2~3日程度は、入浴を避けてシャワーを浴びる程度にしましょう。入浴は血行を促進するため、痛みや腫れ、出血の原因となります。
飲酒を控える
インプラント手術後1週間程度は飲酒を避けましょう。アルコールは血行を促進し、痛みや腫れを悪化させ、出血のリスクを高めます。
禁煙する
インプラント手術の前後1週間程は禁煙してください。タバコに含まれるニコチンは血行を悪化させ、術後の傷口の回復に悪影響を及ぼします。
また、免疫力が低下して歯茎が細菌に感染するリスクも高まるでしょう。インプラントの寿命を縮めるインプラント周囲炎の原因になる可能性もあるため、喫煙習慣がある人は禁煙を心がけてください。
まとめ
インプラント治療は手術を伴うので、痛いと感じることがあります。歯茎を切開し顎の骨を削って縫合するため、痛みは避けられません。
手術後の痛みや腫れ、出血を軽減し、傷の回復を促す必要があります。硬い食べ物を避け、傷口に負担をかけないようにしましょう。
血行を促進する入浴や運動、飲酒を避けて安静に過ごすことが大切です。痛みが出たときは処方された鎮痛剤を服用する、適度に冷却するなど対処すれば、痛みを軽減できることも多いです。
インプラント治療の痛みに不安がある方は、愛媛県松山市にある松友歯科クリニックにお気軽にご相談ください。