インプラント治療とは?メリットや治療の流れ、注意点を詳しく解説!

  • 歯にいい話

こんにちは。愛媛県松山市にある松友歯科クリニックです。

事故や歯周病、虫歯などの理由で歯を失った場合の選択肢として、インプラントを希望する人が増加しています。「インプラントとは何?」「ほかの治療法との違いは?」など疑問を抱える方も多いでしょう。

今回は、インプラント治療について、ほかの治療法との違いや治療の流れ、メリットデメリットなどを詳しく解説します。インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療とは?

インプラント治療

インプラント治療とは、天然歯を失ったときの治療法の一つです。インプラント体を歯槽骨(顎の骨)に埋め込み、インプラント体を土台にして人工歯を取り付けます。

非常に審美性が高いことが特徴で、天然歯と見分けがつかないこともあるでしょう。なんでもよく噛めるようになるので、多くの人から選ばれています。

インプラントの寿命

インプラントは、永久に使えるものではなく、平均寿命は10〜15年です。

厚生労働省や日本口腔インプラント学会の資料によると、10〜15年の累計生存率は上下顎ともに90%以上です。骨移植手術を行ったケースでも、累計生存率は85%を超えています。

また、インプラント治療後20年経過した80代の方に行ったアンケートでは、75.4%の人が「何でも噛める」と回答しています。インプラントの平均寿命は10〜15年ですが、きちんとケアをすれば長く使用できることがわかるでしょう。

参照元:厚生労働省「インプラント治療のためのQ&A」日本口腔インプラント学会「20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査」

インプラントとほかの治療法の違い

歯を失ったとき、インプラント治療を受けるか、ほかの治療法にするか悩む方が多いです。「インプラント治療を勧められたけど、ほかの治療との違いは?」と考えることもあるでしょう。

インプラントと入れ歯やブリッジの違いを、表にまとめました。

<インプラント・入れ歯・ブリッジの違い>

治療方法 インプラント 入れ歯 ブリッジ
使用感 ・ほとんど違和感がない
・会話しやすい
・硬いものを含めて何でも噛める
・違和感がある
・会話しにくい
・噛みにくく、硬いものは食べられない
・ほとんど違和感がない
・会話しやすい
・問題なく食事できる
周囲の歯への影響 ・ない ・周囲の歯へ金属のバネを引っ掛ける ・両隣の歯を削る
・健康な歯の神経を抜く可能性がある
手術 麻酔をして手術をする なし なし
平均寿命 10〜15年 2〜3年 7〜8年
治療期間 半年〜1年 1〜2か月 1〜2か月
費用相場 ・1本あたり約400,000円
・保険が適用されない
・保険が適用される
・自由診療の場合は150,000〜500,000円(1,000,000円を超える場合もある)
・保険が適用される
・自由診療の場合は 55,000〜155,000円

インプラントは、人工歯根を埋め込み失った歯を単独で補える治療です。ほかの健康な歯に影響を与えることはありません。

入れ歯の場合は金属のバネを周囲の歯にかけて固定するので、ほかの歯に負担がかかるでしょう。ブリッジの場合は、失った歯の両隣の歯を削って土台にしなければなりません。神経を抜く処置が必要になることもあるため、歯の寿命を縮めるでしょう。

しかし、インプラントは外科手術を伴う治療です。入れ歯やブリッジは手術を伴わないので、身体への負担は少ないでしょう。治療期間も短い場合が多いです。

また、インプラントは保険が適用されません。そのため、治療費が非常に高額になるのが一般的です。

入れ歯やブリッジは保険が適用されるので、インプラントより安価に治療を受けられるでしょう。

インプラント治療のメリット

インプラント治療のメリットイメージ

インプラント治療のメリットは、以下のとおりです。

違和感なく食事できる

インプラントは、治療後に違和感なく食事できます。食事は毎日の生活のなかで非常に重要な役割を担っています。健康を維持するだけでなく、人生の楽しみと捉えている方もいるでしょう。

ご自身の好きなものを遠慮なく噛めるのは、大きなメリットといえます。

審美性が高い

インプラントの人工歯は、審美性が高いことも大きなメリットです。機能性だけでなく審美性も重視したいと考える人は少なくないでしょう。

インプラントの被せ物に使われる素材は何種類かありますが、天然歯の色調や艶、透明感の再現性に優れています。時間が経過しても変色しない素材もあるので、前歯などの目立つ場所の治療に向いています。

寿命が長い

上述しましたが、ほかの治療法に比べるとインプラントは寿命が長いこともメリットでしょう。寿命が長いだけでなく、治療後一定の期間が経過しても、問題なく使用できるケースが少なくありません。

インプラント治療後のケアをしっかりと行えば、長く使用できるでしょう。

容易にケアを行える

インプラント治療後のケアは、非常に簡単です。ご自身で行うセルフケアでは、歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなどを用います。天然歯のケア方法と大きな差はありません。

また、定期検診を受けることも重要です。インプラントに異常がないか、インプラント周囲炎になっていないかなどをチェックします。

定期検診の頻度は1年に2〜4回です。インプラントが安定するまでは頻度が高いかもしれませんが、安定すれば通常の歯科検診と同じペースで受診します。

周囲の歯や骨に影響を与えない

インプラントは、周囲の歯を削る・支えにする必要がありません。特に、両隣の健康な歯を削る処置や、神経を取る処置を行うことに抵抗がある方は非常に多いでしょう。

また、入れ歯やブリッジの場合、時間の経過とともに顎の骨が痩せます。噛んだときの刺激が、顎の骨に伝わらないからです。

インプラントではインプラント体を顎の骨に埋め込むので、噛むと刺激が顎の骨に伝わります。そのため、顎の骨が痩せることを防げるのです。

インプラント治療のデメリット

インプラント治療のデメリットイメージ

インプラント治療のデメリットは、以下のとおりです。

外科手術が必要になる

インプラント治療では、インプラント体を歯槽骨に埋め込む外科手術を受けなければなりません。骨造成を受ける場合は、さらに別の外科手術を行います。

外科手術を受ける際は、麻酔をすることや、痛みを伴うことを理解しなければなりません。また、顎の骨に穴をあけるので、神経を傷つけるリスクもあるでしょう。

高額な費用がかかる

インプラント治療は自由診療で、保険が適用されません。治療にかかる費用は、全額自己負担する必要があります。

実際に「本当はインプラント治療がいいけど、安い治療法を選んだ」という方もいます。インプラント治療のメリットを理解していても、経済的な理由で受けられない人も多いのです。

治療期間が長い

インプラント治療は、治療期間が長いこともデメリットです。入れ歯やブリッジは1〜2か月で終了するのに対し、インプラントは1年ほどかかります。

インプラント体を埋め込んだあと、顎の骨に定着するまで時間がかかるためです。

インプラントの構造

インプラントの構造

インプラントは、インプラント体、アバットメント、人工歯の3つのパーツで構成されています。

インプラント体とは、歯槽骨に埋め込むネジの部分です。チタン、もしくはチタン合金から作られます。アバットメントは、インプラント体と人工歯を連結させるための部品です。

人工歯は、歯茎の上に出る上部構造です。レジンやセラミック、レジンとセラミックを混ぜたハイブリッドセラミックなど、さまざまな素材から選べます。

インプラント治療の流れ

インプラントの流れイメージ

インプラント治療の流れは、以下のとおりです。

カウンセリング

カウンセリングでは、口腔内の状況や治療に関する希望、インプラント治療に関する悩みなどを相談できます。歯科医院のインプラント治療の方針や、おおまかな金額なども確認できるでしょう。

精密検査

CTスキャン、歯型の採取、レントゲン撮影、歯周病の検査、口腔内の写真撮影など、精密検査を行います。特に、歯槽骨の骨密度や厚さ、神経が通っている管を念入りに確認します。

精密検査後にインプラント治療に関する細かい治療方針が決定されるので、治療を受けるかどうか決めましょう。

外科手術

骨造成が必要だと判断された場合は、先に行います。必要ない場合は、インプラント埋込手術に進みます。

インプラント埋入手術

麻酔を行って、歯茎を切開し、歯槽骨に穴をあけてインプラント体を埋め込む手術です。手術時間は埋入するインプラントの本数や位置によって変動します。1本あたり15〜30分程度でしょう。

麻酔の効果が切れたあと、1週間程度は痛みが続く可能性が高いです。歯科医院で処方された痛み止めを服用してコントロールしてください。

痛みや腫れを悪化させないために、注意事項を守る必要があります。浴槽に浸からない、激しい運動や喫煙を控える、傷口を刺激しないなどの指示が出る場合が多いです。

抜糸・定着期間

抜歯後、インプラントが定着するまで2〜4か月程度待ちます。インプラントの定着期間は、特に通院する必要はありません。

定着期間中は歯がない状態になるので、歯科医院によっては仮歯を作ってくれます。

2回目の手術

インプラント体が定着したら、アバットメントを装着するために2回目の手術を行います。再度歯茎を切開し、アバットメントを装着します。

装着にかかる時間は、30分ほどです。

型取り

アバットメントの装着後、歯茎の形が整うまで2週間ほど待ってから型取りを行います。型取りの所有時間は、30〜60分です。

型取りの際に、人工歯の種類を決定します。

人工歯の装着

完成した人工歯を装着して、治療は終了です。

1年近くかかるインプラント治療ですが、実際に歯科医院に通院するのは数回です。インプラントの定着や人工歯の完成など、待つ期間が非常に多い治療といえます。

インプラント治療の費用

インプラント治療の費用を計算

インプラント治療は自由診療のため、治療にかかる費用は歯科医院によって異なります。

インプラント1本にかかる費用の相場は、400,000円前後でしょう。インプラント治療が開始した頃に比べて安くなっていますが、高額な費用がかかる治療であることは変わりません。

インプラントの費用設定は、大きく以下の2つに分けられます。

  • インプラント代のみを掲げており、精密検査代や手術代を別で請求する歯科医院
  • インプラント代、精密検査代、手術代などを含めたトータルの金額を提示している歯科医院

費用設定は、歯科医院に確認することが大切です。費用についても納得したうえで治療を開始してください。

インプラント治療の注意点

インプラント治療の注意点イメージ

インプラント治療を開始する前に、注意点を確認することも重要です。インプラント治療の注意点を解説します。

治療前に全身疾患や金属アレルギーの有無を確認する

治療前に全身疾患がある場合は、歯科医師に伝えてください。特に症状が重度である場合は、インプラント治療が難しいこともあるでしょう。

伝えるべき全身疾患は、以下のとおりです。

  • 糖尿病
  • 骨粗鬆症
  • 心筋梗塞
  • 自己免疫疾患
  • ビタミンD欠乏症
  • がん

また、以下の薬を服用している場合も報告してください。

  • ステロイド剤
  • 抗腫瘍剤
  • 抗血栓剤
  • 顎への放射線治療

上記の病気を患っている方や、薬を服用している方は、手術がうまく進まない、出血が止まらないなど、トラブルにつながる可能性があります。内科の担当医と相談しながら治療を進めましょう。

ケアを怠るとインプラント周囲炎になる

インプラント治療が成功した場合でも、ケアを怠るとインプラント周囲炎になる可能性があります。毎日の口腔ケアや、定期検診は欠かせません。

定期検診を受ける必要がある

インプラント治療後も、定期検診を受けなければなりません。インプラント治療自体は、人工歯を装着した時点で完了します。

しかし、定期検診でインプラントや噛み合わせ、周囲組織に問題が起きていないかを確認しなければなりません。定期検診を受けていない場合、万が一インプラントに不具合が生じたときに保証を受けられないことが多いです。

まとめ

インプラント治療の説明をする歯科医師

インプラントは、歯槽骨にインプラント体を埋め込み、人工歯を装着して失った歯を補う治療です。天然歯に近い見た目、噛み心地を得られるため、治療後に満足している人は少なくありません。

しかし、外科手術が必要であることや、1本につき400,000円と高額な費用がかかることから、インプラント治療に踏み切れない人もいます。費用、治療計画などを考慮し、納得したうえで治療を開始してください。

インプラント治療を検討されている方は、愛媛県松山市にある松友歯科クリニックにお気軽にご相談ください。

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