インプラント治療中に歯がない期間の対処法と注意点を解説!
こんにちは。愛媛県松山市にある松友歯科クリニックです。
インプラント治療中は、すぐにインプラントの土台に歯を取り付けられるわけではありません。歯がない期間が存在するのです。
歯がない状態で過ごした経験がある方は少ないため、歯がない期間をどう過ごせばいいのかわからないという方もいるでしょう。
本記事では、インプラント治療中に歯がない期間の対処法を解説します。また、歯がない期間に何を注意すればいいのかについても解説するため、ぜひ参考にしてください。
INDEX
インプラント治療の流れ
インプラント治療は、次のような流れで進みます。
カウンセリング
まずはカウンセリングを受けるのが一般的です。カウンセリングでは、治療費用や治療期間、インプラント治療の特徴、他の治療の選択肢などを説明されるでしょう。
希望の仕上がりなどを歯科医師に伝え、共有することも重要です。治療に関する疑問がある場合は、遠慮せずに質問しましょう。
検査をする
カウンセリング内容に納得したら検査に進みます。インプラントは、誰でも受けられる治療ではありません。
歯周病や虫歯があったり、顎の骨にトラブルがあったりする場合には、インプラント治療ができません。そのため、CTスキャンなどを使用して、顎の骨の密度や量などを詳しく確認します。
インプラント体を埋入する
歯の根にあたるインプラント体を顎の骨に埋入します。インプラント体の埋入手術は、麻酔を使用しておこなわれます。
埋入するインプラント体の本数によってかかる時間は異なりますが、1本あたり15〜30分程度でしょう。
インプラント体の埋入方法には、手術を1回だけおこなう1回法と、手術を2回にわけておこなう2回法があります。1回法は顎の骨や全身の状態が良くないと行えないため、2回法のほうが一般的と言えるでしょう。
インプラントは、人工歯、インプラント体と人工歯をつなぐアバットメント、人工歯根であるインプラント体の3つのパーツから構成されます。2回法の場合には、1回目の手術が終わって数か月後に、アバットメントの装着のために再度手術を行います。
抜糸と仮歯の調整
手術から2週間ほどたったら、歯茎の縫合に使用した糸を抜糸します。抜糸のタイミングでは、まだインプラントの上部につける人工歯は完成していません。
この間は、日常生活への支障が出ないように仮歯をいれます。
人工歯の装着
人工歯が完成したら、仮歯をはずして装着します。噛みあわせや形態など、気になるところがあれば修正できるため、歯科医師に相談しましょう。
インプラント治療中に歯がない期間はある?
インプラント治療中の歯がない期間は約2~6か月程度です。この期間は顎の骨の状態に左右されるので、個人差があります。
顎の骨が丈夫な方は、この期間が短い傾向にあります。顎の骨が薄かったりもろかったりする場合は、期間が長くなります。
ただし、基本的には仮歯を入れて過ごします。完全に歯がなく、すき間が目立つような状態で過ごすことはないので、安心してください。
インプラント治療中に歯がない期間の対処法
歯がないと聞くと、歯がまったくなくなる期間と考える方もいるでしょう。自分の歯もなく、インプラントの人工歯もない期間には、仮歯を装着します。
仮歯とは、インプラントの人工歯が完成する間に使用する歯です。仮歯をいれるため、人工歯ができるまで歯が完全になく、飲食に影響が出るということはありません。
歯がない期間に仮歯を入れる理由
なぜ、仮歯を入れるのか、疑問に思う方もいるかもしれません。歯がない期間に仮歯を入れる理由は、以下のとおりです。
審美性を保つ
歯がまったくない状態だと、見た目が良いとはいえません。仮歯を入れることで、見た目をきれいにして審美性を保ちます。
また、歯がない状態で長時間過ごすと、隣接する歯が歯のなくなったスペースに移動しようとすることがあります。歯並びへの影響を最小限に抑えるために、仮歯をいれるのです。
噛み合わせや滑舌に影響を与えない
インプラント体を埋入した場所や本数にもよりますが、歯がないことで噛み合わせや滑舌に影響を与えることがあります。とくに、噛むときに使う咀嚼筋は、歯の存在を感じることで収縮します。歯がないと噛む力が弱まるため、仮歯が必要となるのです。
また、歯がなくなる場所によっては、息が漏れ滑舌が悪くなり、コミュニケーションに影響が出るかもしれません。これを予防するためにも、仮歯が必要となります。
細菌の侵入を防止する
口の中には虫歯菌や歯周病菌だけでなく、お口の中の健康維持の役割を果たす常在細菌が約1,000億~6,000億いるといわれています。これらの細菌が、手術後の不安定な歯茎に感染すると、炎症を起こします。
インプラント体の結合を阻害する可能性もあるので、細菌感染を防ぐ目的でも仮歯を使用するのです。
インプラント体への刺激を最小限にする
食事をしたり会話をしたりと、口は日常的に動かすことが多いです。たとえば、噛むときに咬合圧がかかったり、飲食物による温冷の刺激があったりと、さまざまな刺激を受けやすい部分といえます。
これらの刺激が直接インプラント体にかかると、不安定なインプラント体には大きな負担となります。仮歯はインプラント体を覆って蓋の役割を果たします。仮歯で保護することで、インプラント体への負担を最小限に抑えるのです。
歯がない期間中の注意点
歯がない期間にはいくつか注意すべき点があります。歯がない期間に注意すべきことは、次の通りです。
仮歯に強い力を与えない
仮歯は、自分の歯やインプラントの人工歯と比べて壊れやすく外れやすいです。そのため、強い力をかけないようにしましょう。
とくに気をつけたいのが食べ物です。硬い食べ物は、強い力をかけないと噛めません。自然と仮歯に強い力をかけることになるでしょう。
粘着性の高い食べ物も避けたほうがいいといえます。何度も強い力で噛まなければならず、仮歯に負担がかかります。
仮歯を入れている間は、硬い食べ物や粘着性のある食べ物を食べないように意識しましょう。
口腔ケアをしっかりとおこなう
仮歯の周囲がよごれていると、細菌感染のリスクが高まります。また、仮歯以外の歯も細菌によって虫歯や歯周病を発症するリスクが高まるため、口腔ケアは念入りにおこないましょう。
ただし、汚れをしっかり落とそうとごしごしと磨くことは避けてください。仮歯が傷ついたり、はずれたりする可能性があります。
優しく丁寧に磨いて、汚れをしっかり除去してください。
仮歯がとれたらすぐに歯科医院を受診する
仮歯がとれた状態で放置すると、細菌感染や歯並びへの影響など、インプラント体に対してさまざまなリスクを伴います。そのため、仮歯がとれたら歯がまったくない状態で放置するのではなく、すみやかに歯科医院を受診して仮歯を再度つけてもらいましょう。
仮歯がない状態で放置すると、歯がない部分に周囲の歯が移動し、インプラントの人工歯を装着できなくなる可能性もあります。
まとめ
インプラント治療中、自分の歯がまったくなくなる期間はあります。その間は仮歯をいれるので、見た目への影響は少ないでしょう。
仮歯をつけることで、審美性や機能性を保つことが可能です。インプラント体への刺激や負担を最小限に抑え、インプラント体を安定させる役割も担います。
しかし、仮歯はインプラントの人工歯とくらべると弱く壊れやすいです。強い負荷が加わらないよう、優しく丁寧に扱いましょう。
歯がない期間も、仮歯があれば普段と同じように過ごせます。歯がなくなることに不安がある人でも、安心してインプラント治療を受けられるでしょう。
インプラント治療を検討されている方は、愛媛県松山市にある松友歯科クリニックにお気軽にご相談ください。