口内炎は放置しても問題ない?危険な口内炎の症状や放置リスクについて

  • 歯にいい話

こんにちは。愛媛県松山市にある松友歯科クリニックです。

口内炎は、多くの人が一度は経験する口腔内のトラブルですが、軽視していると思わぬリスクを招くことがあります。一般的な口内炎は自然に治癒するケースが多く「そのまま放置しても問題ない」と考える方も少なくありません。

しかし、放置すると日常生活に支障をきたしたり、重大な疾患の前兆を見逃したりする可能性もあります。特に、長期間治らない、出血を伴う、広範囲に広がる症状が見られる場合には、早急な対応が必要です。

この記事では、口内炎を放置することで生じるリスクや注意すべき危険な症状、さらに適切な対処法について詳しく解説します。

口内炎の原因

口内炎の原因として睡眠不足で疲労がたまっている女性

口内炎は、口腔内の粘膜に生じる炎症の総称であり、原因は多岐にわたります。

以下に、主な原因を詳しく解説します。

物理的刺激

口内炎の最も一般的な原因の一つが、物理的な刺激や損傷です。食事中に誤って頬の内側や舌を噛んでしまう、硬い食べ物や歯の尖った部分による傷、合わない入れ歯や矯正器具が口内を傷つけるなどが挙げられます。

これらの傷が細菌の侵入を許し、炎症を引き起こすことがあります。

栄養不足

ビタミンB群、特にビタミンB2(リボフラビン)やビタミンB6が不足すると、口内炎のリスクが高まります。口腔粘膜の健康を維持するために重要な役割を果たしており、偏った食事や過度なダイエットが原因で不足すると、粘膜が弱まり炎症を引き起こしやすくなります。

ストレスや疲労

精神的、または肉体的なストレスや疲労の蓄積は、免疫力の低下を招きます。免疫力が低下すると、口腔内の細菌やウイルスに対する防御力が弱まり、口内炎の発症リスクが増大します。

特に、睡眠不足は免疫機能をさらに低下させ、口内炎の発生を助長する要因となります。

感染症

ウイルスや細菌の感染も、口内炎の原因です。例えば、単純ヘルペスウイルスによるヘルペス性口内炎や、カンジダ菌が原因となるカンジダ性口内炎がよく知られています。免疫力の低下や口腔内の環境の変化で発症しやすくなります。

アレルギー反応

特定の食べ物や薬物、金属などに対するアレルギー反応も、口内炎の原因となります。アレルゲンとの接触により、口腔粘膜が炎症を起こし痛みや腫れを伴う口内炎が発生する場合があります。

全身性疾患

全身性疾患の一症状として、口内炎が現れることもあります。例えば、ベーチェット病などの疾患では、頻繁に再発する治りにくい口内炎が特徴としてあげられます。この場合、他の症状と併せて全身的な診断が必要です。

口内炎は放置しても問題ない?

口内炎を放置してしまい問題ないのか気になる女性

口内炎は、口腔内の粘膜に生じる小さな潰瘍で、1~2週間で自然に治ることも多いです。特別な治療を必要とせずに、回復するケースは珍しくありません。

しかし、口内炎を放置することで、予期せぬリスクが生じる可能性があります。

まず、治癒が遅れるリスクが挙げられるでしょう。口腔内の衛生状態が悪かったり、栄養不足やストレスが続いたりすると、治癒が遅れ、痛みや不快感が長引くことがあります。

また、口内炎が治らない背景に、口腔がんなどの重篤な疾患が隠れている可能性も無視できません。特に、2週間以上治らない、潰瘍が大きくなる、頻繁に再発する、強い痛みや出血があるなどの場合は、ただちに医師の診察を受けることが必要です。

放置すると危険な口内炎の症状

口内炎を放置しなかなか治らず危険な症状

口内炎は一般的に自然治癒することが多いですが、特定の症状を見逃すと深刻な疾患を発見する機会を逃す可能性があります。ここでは、特に注意すべき口内炎の症状と、その背景について詳しく解説します。

長期間治らない

通常の口内炎は1~2週間程度で治癒しますが、2週間以上経っても改善しない場合は注意が必要です。特に、数ヶ月にわたって治らない口内炎は、口腔がんなど重大な疾患のサインである可能性があります。

口内炎の再発や広がり

頻繁に再発する口内炎や、口腔内全体、唇、さらには口の周辺にまで広がる症状は、全身的な疾患や免疫力の低下が関係していることがあります。例えば、栄養不足、ストレス、感染症、さらには自己免疫疾患の影響で口内炎が繰り返し発生しているかもしれません。

痛みやしこりを伴う

口内炎とともに、口腔内にしこりが感じられる場合、特にそれが痛みを伴う場合には注意が必要です。舌がんや口腔がんなどの初期症状の可能性があるためです。初期段階では、通常の口内炎と見分けがつきにくいことがあります。

口腔内の色や形状の変化

口腔内の粘膜に白斑や赤斑、ザラザラした質感なども、口腔がんの可能性があります。特に、舌の側面や裏側、歯ぐき、頬の内側などの目立たない場所にこれらの症状が出た場合は、早めに歯科医院を受診して確認してもらいましょう。

要注意な口内炎の放置リスク

要注意な口内炎の放置リスクとして口内に最近が広がっている状態

口内炎は多くの場合、自然に治癒します。

しかし、放置することで以下のような深刻なリスクが生じる可能性があります。口腔内の健康を守るため、早期対応が不可欠です。

炎症の拡大

適切なケアを怠ると、口内炎の炎症が広がり、痛みや不快感が増す場合があります。特に、口腔内の衛生状態が悪いと、細菌が増殖しやすくなり症状が悪化することが懸念されます。炎症が広範囲に及び、食事や会話に支障をきたす可能性も否定できません。

細菌やウイルスの感染リスク

口内炎を放置すると、患部が細菌やウイルスの侵入経路となり、二次感染を引き起こす可能性があります。この結果、症状が長引くだけでなく、歯周病や他の口腔内疾患を誘発するリスクが高まります。

特に、免疫力が低下している場合、感染症が全身に広がる恐れもあるため注意が必要です。

口内炎の再発

適切な治療や予防ケアを怠ると、口内炎が繰り返し発症する原因となります。免疫力の低下や栄養不足、ストレスの蓄積が続くと、同じ場所に再発することが多く、慢性的な問題となることがあります。

重篤な疾患の見逃し

口内炎と似た症状を持つ疾患には、口腔がんなどの重大な病気が含まれます。上述しましたが、特に以下のような症状がある場合は、速やかに歯科医院を受診しましょう。

  • 2週間以上治らない
  • 痛みが強く日常生活に影響が出る
  • 出血を伴う
  • 患部にしこりや硬さを感じる

口内炎の治療方法

自宅でセルフケアし口内炎の治療をするイメージ

口内炎は多くの場合自然に治癒しますが、症状を緩和し治癒を促進するためには、適切な治療を行うことが重要です。以下に、自宅でのセルフケアから医療機関での治療まで、具体的な方法を詳しく解説します。

自宅でのセルフケア

まずは、自宅でできるケアをご紹介します。

口腔内を清潔に保つ

口腔内を清潔に保つことは、口内炎の治癒を早める基本です。食後には丁寧に歯磨きを行い、うがいをして口腔内の衛生状態を整えましょう。患部が細菌感染を起こすリスクを低減し、炎症の悪化を防ぐことができます。

刺激物を回避する

辛い食べ物や熱い飲み物、アルコールなどは患部を刺激するため避けましょう。代わりに、刺激の少ない柔らかい食事を摂ることで、痛みを軽減し、治癒を促進できます。

栄養バランスを改善する

口腔粘膜の健康維持に欠かせないビタミンB群やビタミンCを含む食品を積極的に摂取しましょう。柑橘類や緑黄色野菜などを選択すると良いでしょう。

これにより、免疫力が向上し口内炎の予防や治癒を助けます。

市販薬の使用

市販薬の使用も、口内炎の治癒促進に効果的です。軟膏やパッチなどの外用薬や、内服薬を市販している場合もあります。

患部に直接塗る軟膏や貼付するパッチ型の薬剤は、患部を保護しながら痛みを軽減する効果があります。使用方法を守ることで、症状の緩和と治癒促進が期待できます。

ビタミン剤や抗炎症作用を持つ内服薬も、体内からの治癒をサポートするのに効果的です。特に、栄養不足やストレスが原因の場合に有効です。

医療機関での治療

症状が2週間以上続く場合や、痛みが強く食事や会話に支障が出ている場合、患部が大きくなっている場合などは、速やかに歯科医院を受診しましょう。単なる口内炎ではなく、他の疾患が関与している可能性があります。

この場合、医師の診断に基づき、原因に応じた治療が行われます。例えば、細菌感染が原因の場合は抗生物質、真菌感染が原因の場合は抗真菌薬が処方されます。痛みが強い場合には鎮痛剤や局所麻酔薬を使用することもあります。

また、口腔がんの可能性が疑われる場合には、詳細な検査や専門的な治療が必要です。

まとめ

口内炎が治り笑顔で同僚と集まる女性

口内炎は多くの場合、1~2週間で自然に治癒しますが、すべてが放置して問題ないわけではありません。2週間以上治らない、頻繁に再発する、痛みが強い、潰瘍が大きいといった症状がある場合は、口腔がんなどの重篤な疾患が隠れている可能性があります。

また、放置することで治癒が遅れたり、痛みが長引いて生活の質を低下させるリスクがあります。

口内炎が発生した際は、口腔内を清潔に保ち、栄養バランスの良い食事を摂ることが大切です。刺激物を避け、ストレスを軽減することで症状の改善が期待できます。

症状が長引いたり異常を感じた場合は、速やかに歯科医院を受診しましょう。

口内炎の治療を検討されている方は、愛媛県松山市にある松友歯科クリニックにお気軽にご相談ください。

当院では、一般歯科や小児歯科・小児矯正、ホワイトニング、インプラントなど、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、お電話でのご予約もお待ちしております。

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