虫歯と歯周病の違いは?治療はどちらを優先するべき?放置するリスク

  • 歯にいい話

こんにちは。愛媛県松山市にある松友歯科クリニックです。

虫歯も歯周病もお口の中の病気であるため「歯が痛い」「噛むと痛い」「歯茎が腫れる」など同じ症状が現れることがあります。そのため、同じような病気だと思われている方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、虫歯と歯周病は違う病気です。

今回は、虫歯と歯周病の違いや治療法について解説します。虫歯や歯周病を放置するリスクと悪化させないためのポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

虫歯と歯周病の違いは?

虫歯と歯周病の違いについて考えている女性

虫歯と歯周病の主な違いは、虫歯は歯が溶かされる病気であるのに対し、歯周病は歯を支える周りの組織に悪影響が出る病気だということです。

しかし、虫歯も歯周病も歯が痛む・歯茎が腫れるなど同じような症状が現れることがあるため、どちらか判断がつかないことも珍しくありません。そこでここでは、虫歯と歯周病の3つの違いを解説します。

原因菌の違い

虫歯の原因菌にはいくつかありますが、主な原因菌はミュータンス菌です。ミュータンス菌は、飲食物に含まれる糖分をエサにして繁殖し、その際に歯を溶かす酸を出すことで虫歯が進行します。

一方、歯周病の主な原因は、歯周病菌です。歯周病菌が歯周ポケット内で繁殖すると、歯周病を発症することにつながります。

虫歯と歯周病の原因菌は違いますが、どちらも磨き残しであるプラークに潜んでいます。そのため、歯磨きが不十分で磨き残しが多い方は、虫歯も歯周病も発症するリスクが高く、症状が悪化しやすいため注意が必要です。

症状の違い

虫歯が進行すると「歯がしみる」「噛むと痛い」などといった症状が現れることが多いです。歯の神経が炎症を起こすと、何もしなくてもズキズキと歯が痛んだり、眠れなかったりして、日常生活に支障が出ることもあります。

神経が壊死すると痛みはなくなりますが、治ったわけではありません。そのまま放置するとさらに進行して歯茎が大きく腫れて強く痛んだり、膿が出たりすることがあるのです。

一方、歯周病の場合、歯茎が赤く腫れる・歯磨きをすると軽い出血があるなど、痛みがないことがほとんどです。

しかし、そのまま放置すると、歯茎がブヨブヨと腫れる・歯が長く見える・膿が出るなどといった症状が現れることがあります。これは、炎症が顎の骨にまで広がり、歯周病が重症化しているからです。

さらに症状が悪化すると、硬いものが噛みにくい・歯がグラつくなどの症状が現れます。

虫歯も歯周病も初期段階では、自覚症状がほとんどないことが多く、気付いたときには重傷化していたということも珍しくありません。そのため、症状はなくても、定期的に虫歯や歯周病になっていないかチェックしてもらうことが大切です。

治療法の違い

虫歯は歯の病気、歯周病は歯茎や顎の骨の病気であるため、それぞれ治療法が違います。虫歯治療では、虫歯になった部分を削り、詰め物や被せ物で歯を補います。軽度の虫歯の場合は、虫歯を削って詰めるという簡単な治療であるため、1回で終わることもあります。

しかし、虫歯が大きくなればなるほど歯を削る範囲が大きくなり、その分治療回数も多くなります。

一方、歯周病の場合は、定期的に歯科医院に通っていただき、お口の中を清潔に保つ治療を行うのが基本です。歯科衛生士が専用の機械を使用し、歯周病の原因となる磨き残しや歯石を徹底的に除去します。

ただし、重症化した歯周病の場合には、外科手術が必要になったり、抜歯が必要になったりすることもあるでしょう。

このように、虫歯も歯周病も症状によって治療法が異なります。早期に発見できれば簡単な治療で済むケースもありますが、重症化すると大がかりな治療が必要になり、最終的には歯を残せないこともあるため注意が必要です。

虫歯と歯周病の治療はどちらを優先するべき?

歯周病の治療を優先している様子

虫歯と歯周病のどちらにもなっている場合は、歯周病を優先的に治療します。先述した通り、虫歯は歯の病気、歯周病は歯を支える歯茎や顎の骨の病気です。虫歯を治療しても、歯周病が進行して歯がグラつき始めると、最終的には自然と抜け落ちる可能性があります。

歯は、健康な歯茎や顎の骨によって支えられ、しっかり噛めるようになります。そのため、まずは歯周病治療で歯茎や顎の骨の炎症を抑え、そのあとに虫歯治療を行うのが一般的です。

虫歯と歯周病の治療は同時にできる?

虫歯と歯周病の治療は同時にできるか考えている女性

虫歯治療と歯周病治療は治療法が異なるため、基本的に同時には行えません。そのため、歯周病治療を行ったあとに、虫歯を治療するのが一般的です。

しかし、神経に炎症が起きて強い痛みが出ている場合には、先に虫歯治療を行う場合もあります。なぜなら、炎症が起こっている神経を取り除かなければ、症状は治まらないからです。

麻酔をしてから虫歯部分と炎症を起こしている神経を取り除き、根管内を消毒する根管治療を行います。このように、基本的には歯周病治療を優先しますが、症状によっては先に虫歯治療を行う場合もあるのです。

虫歯や歯周病を放置するリスク

虫歯や歯周病を放置するリスクイメージ

初期段階の虫歯や歯周病は自覚症状がないことが多く、どちらも放置すると、歯の寿命が短くなるリスクが高まります。また、重度の虫歯や歯周病は、全身の健康に悪影響を与えることがあるため注意が必要です。ここでは、虫歯や歯周病を放置するリスクについて解説します。

虫歯を放置するリスク

虫歯が進行し、歯の神経が炎症を起こすと、激しい痛みが出るようになります。さらに進行すると神経が壊死することもあるでしょう。神経が壊死すると歯の痛みはなくなるため、虫歯が治ったと思う方もいるかもしれません。

この状態を放置すると、歯の根の先まで炎症が広がり、顔が大きく腫れたり、激しい痛みが出たりすることがあります。また、ここまで虫歯が進行すると歯の大部分が溶けるだけでなく、顎の骨が吸収されて歯を残せないことも少なくありません。

さらに、歯の根の先まで広がった虫歯菌が血管内に入り込み、全身を巡ることで心筋梗塞や脳梗塞などの全身の病気を引き起こす可能性もあるのです。

歯周病を放置するリスク

歯周病は症状が悪化すると、歯茎から歯を支える顎の骨にまで炎症が広がります。顎の骨が溶かされることで歯がグラつき始めますが、さらに放置すると、最終的には自然と歯が抜け落ちることもあるのです。

また、歯周病は全身の疾患とも深い関係にあり、特に歯周病を患っていると糖尿病にかかりやすいといわれています。

虫歯と同じく初期段階の歯周病は自覚症状が乏しいため、ご自身で気付かないことも少なくありません。歯周病は歯を失う最大の要因であるため、できるだけ早く症状に気付き、すぐに治療を開始することが大切です。

虫歯や歯周病を悪化させないために大切なこと

虫歯や歯周病を悪化させないために丁寧な歯磨きをしている人

虫歯と歯周病の原因は、磨き残しに潜む細菌です。そのため、毎日の歯磨きでできるだけ磨き残しをなくすことにくわえ、定期的に歯科医院で検診を受けることが大切です。ここでは、虫歯や歯周病を悪化させないために大切なことをご紹介します。

しっかりと歯磨きを行う

虫歯と歯周病の原因菌は違いますが、どちらの菌も磨き残しであるプラークに潜んでいます。そのため、毎日の歯磨きでできるだけ磨き残しをなくすことが重要です。

まずは歯ブラシで1本1本丁寧に磨き、歯と歯茎の境目は45度の角度で歯ブラシを当てることを意識してください。歯と歯の間や歯と歯茎の境目には磨き残しが生じやすいため、デンタルフロスや歯間ブラシを使って汚れを落としましょう。

また、歯ブラシの届きにくい奥歯や歯の重なりがある部分は、タフトブラシを使用するとよいでしょう。

定期的に検診を受ける

磨き残しであるプラークは、はじめは白くてやわらかい汚れですが、数日すると石灰化して歯石になります。歯石は歯ブラシでは落とすことができません。歯石の表面はザラザラとしているため、放置すると周辺にさらに汚れが付着し、歯周病が悪化する可能性があります。

そのため、定期的に歯科医院に通い、専用の機械で歯石を除去してもらう必要があるのです。歯科医院では超音波スケーラーという機械を使用し、歯や歯周ポケットに付着した歯石を徹底的に除去します。

これにより、歯茎や顎の骨の炎症を抑え、歯周病の進行を食い止められるでしょう。お口の中を清潔に保つことで、虫歯予防にも効果があります。

また、定期検診では歯磨き指導も行います。効率的な歯ブラシの当て方、フロスや歯間ブラシの使用方法をマスターすることで、毎日の歯磨きだけでも虫歯・歯周病を予防できるようになるでしょう。

虫歯も歯周病も、症状が現れたときにはある程度進行している可能性があります。そのため、何も症状がなくても、3~6ヵ月に1回は定期検診を受けるのがよいでしょう。

まとめ

虫歯と歯周病が治り笑顔で食事している女性

虫歯と歯周病はどちらも進行性の病気ですが、原因菌や治療法が違います。

どちらも放置していると、歯を失うだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあるため、早期に治療を開始することが重要です。症状に気付いたらなるべく早く歯科医院を受診しましょう。

また、何も症状がなくても、定期的に歯科医院で検診を受けることも大切です。

虫歯や歯周病にお悩みの方は、愛媛県松山市にある松友歯科クリニックにお気軽にご相談ください。

当院では、一般歯科や小児歯科・小児矯正、ホワイトニング、インプラントなど、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、お電話でのご予約もお待ちしております。

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