奥歯をインプラントにするメリットとは?デメリットや費用も解説!
こんにちは。愛媛県松山市にある松友歯科クリニックです。
「インプラントを奥歯に入れるのは難しいの?」「インプラントは奥歯の役割をちゃんと果たしてくれるのかな?」と疑問を持っている患者さまもいるでしょう。
今回は、奥歯をインプラントにするメリット・デメリットについて詳しく解説します。奥歯のもつ役割や奥歯をインプラントにしたときの費用も伝えますので、ぜひご覧ください。
INDEX
奥歯がもつ役割
奥歯は、糸切り歯(犬歯)よりも奥にある臼歯(きゅうし)のことです。犬歯の隣2本が小臼歯で、その奥側にある大きな歯は大臼歯といいます。
名前のとおり、臼のように食べ物をすりつぶす役割があります。奥歯でしっかり食べ物をすりつぶしてから飲み込むことで、胃腸への負担を軽減できるでしょう。
奥歯は、上下左右の小臼歯・大臼歯あわせて全体で16本あります。
奥歯を失うリスク
奥歯を失ったときのリスクは、以下のとおりです。
噛み合わせが悪くなる
奥歯を失ったまま放置すると、他の歯が動いて咬み合わせが悪くなります。歯並びも悪くなるので、審美性が低下する可能性もあるでしょう。
他の歯への負担が増える
奥歯がない状態だと、他の歯に負担がかかります。失った歯に加わっていた力が、他の歯に分散されるためです。健康な他の歯に問題が起きる可能性があるのです。
食事しにくい
奥歯を失うと、残っている歯で食べ物を噛む必要があります。奥歯がある状態と比べると、食べ物を噛むのに時間がかかるうえに、細かく噛むのが難しくなるでしょう。
食事しにくいことにストレスを感じるかもしれません。また、十分に咀嚼できないため、胃腸への負担が大きくなります。腹痛や下痢・便秘などにつながる可能性もあるのです。
噛み合う歯(対合歯)が伸びてくる
奥歯を失ったままでいると、噛み合っていた歯が伸びてくる可能性があります。噛み合う歯があることで、歯並びや噛み合わせは維持されています。
すぐに伸びてくるわけではないので、患者さまご本人では気づかないこともあるでしょう。
奥歯が生えていた部分の骨(歯槽骨)が痩せる
奥歯を失うと、その部分の顎の骨には刺激が伝わらなくなります。だんだんと骨が痩せてきて、歯ぐきも下がってくるでしょう。早めに対策しなければなりません。
発音が悪くなる
奥歯を失うと、発音が悪くなるリスクがあります。発歯がない部分から空気が漏れてうまく発音できなくなり、コミュニケーションが取りにくくなる可能性もあります。
老けやすくなる
奥歯を失うと、噛む回数が減ります。噛む回数が減って口もとの筋肉が衰えていくと、頬の位置が下がり老けた印象を与えるかもしれません。
奥歯のインプラント治療は難しいの?
奥歯のインプラント治療が難しいといわれる理由は、以下のとおりです。
噛み合わせの調整がしにくい
奥歯は前歯と比べると噛む力が非常に強いです。そのため、噛み合わせの調整がしっかりできていないと被せ物が破損する可能性があります。
また、顎に負担がかかって顎関節の痛みや頭痛につながることもあるでしょう。
インプラント手術の際に器具を入れにくい
どんなに大きく口を開けても、前歯と比べると奥歯はインプラント手術の器具を入れにくいです。顎関節症の患者さまは大きく口を開けられないので、特にインプラント治療が難しい可能性が高いでしょう。
下顎は下歯槽神経を傷つけるリスクがある
奥歯のインプラントのなかでも、下顎にインプラントを入れるときは下歯槽神経を傷つけないように注意する必要があります。下歯槽神経は下の歯の歯根のすぐ近くをとおっているので、レントゲン写真やCTを使って場所をしっかり把握しなければなりません。
下顎の奥歯の場合、他の箇所よりもインプラント治療の難易度が高くなるでしょう。
奥歯をインプラントにするメリット
奥歯のインプラントは難易度が高いのに、どうしてインプラントを選択する方がいるのでしょうか。奥歯をインプラントにするメリットは、以下のとおりです。
周りの歯に負担をかけない
インプラントは、周りの歯に負担がかからないというメリットがあります。ブリッジや入れ歯で失った歯を補うと、周りの歯を支えにする必要があります。
インプラントは歯槽骨に人工歯根を埋め込むので、周りの歯に負担をかけません。
噛む力を取り戻せる
ブリッジや入れ歯の場合、最大でも天然歯の8割程度の噛む力しか得られません。部分入れ歯の場合、3割程度まで低下することもあります。
インプラントはブリッジや入れ歯と比べると噛む力が強いため食事をしやすいです。歯を失っても食事を楽しみたい患者さまは、インプラントを検討しても良いでしょう。
胃腸への負担が少なくなる
奥歯をインプラントにすると、食べ物をしっかり噛めるため胃腸への負担が少なくなるでしょう。十分に咀嚼されていれば、消化吸収もしやすくなります。
噛み合わせがよくなる
奥歯がない状態だと噛み合わせが悪くなります。奥歯にインプラントを入れると、噛み合わせのバランスが安定して、一部の歯だけに負担をかけることが少なくなります。
見た目が天然歯と変わらない
被せ物を作る歯科技工士の腕も関係しますが、奥歯をインプラントにすると天然歯のような美しい見た目を手に入れられます。入れ歯やブリッジは周りの歯に引っ掛ける金具などがありますが、インプラントには表面に見える金具はありません。
発音に影響がでにくい
奥歯をインプラントで補うと、歯がなかった場所が埋まって発音しやすくなります。入れ歯で補うと口蓋を覆う必要があるので、発音しにくくなることもあるでしょう。
人前で話す機会の多い方などはインプラントを選択する傾向があります。
奥歯をインプラントにするデメリット
奥歯をインプラントにするメリットは多いですが、デメリットもあります。奥歯をインプラントにしたときのデメリットは、以下のとおりです。
骨の状態によっては選択できない
インプラント治療をするには、インプラントを埋め込む歯槽骨の硬さや厚みなどが非常に重要です。患者さまの骨の状態次第では、インプラント治療ができない可能性があります。
ただし、骨を増やす骨造成や骨移植などの処置を行えば可能になることもあるでしょう。骨を増やす処置は難しいので、対応している歯科医院が多くありません。
治療期間が長くなる可能性がある
歯槽骨と人工歯根が結合するのに、数ヶ月はかかります。そのため、どんなに順調に治療が進んでも、最低3か月の治療期間が必要でしょう。
骨を増やす治療をおこなってからインプラントを埋入するケースでは、1年ほどかかる可能性もあります。
奥歯をインプラントにする場合の費用
奥歯をインプラントにする場合には、自費診療となるため費用が高額になりやすいです。インプラント治療する場所の歯ぐきや骨の状態によっても違いますが、1本30万~50万円ほどかかるでしょう。
また、自費診療は歯科医院によって費用が大きく異なりますので、詳しくは歯科医院へ問い合わせてみてください。
まとめ
奥歯を失ったまま放置すると、噛み合わせが悪くなったり、老けた印象を与えたりと悪影響があります。そのため、奥歯を失ったら歯を補う治療を受けましょう。
インプラントは骨の状態によってはできなかったり、治療期間が長くなる可能性もあります。歯科医院でよく相談して、納得したうえで治療をはじめてください。
インプラント治療を検討されている方は、愛媛県松山市にある松友歯科クリニックにお気軽にご相談ください。