小児歯科

子供のフッ素塗布は何歳ごろから始めれば良いですか?

子供のフッ素塗布を始める時期は、赤ちゃんの上下の歯がそれぞれ4本ずつ生え揃ってきた頃です。人にもよりますが、概ね1歳半程度で上下4本が生えそろってきますので、1歳半程度になったらフッ素塗布を考えてあげましょう。
フッ素塗布は、歯が生えて間もない頃が最も効果が高いため、お子さんの歯の成長状況をみながら判断してあげてください。

子供に歯並びは遺伝しますか?

顔や背の高さ・声が遺伝するように、歯並びも同様に遺伝します。
だいたい先天的な要因が8割・後天的な要因が2割程度と言われており、子供の容姿に「お母さん似」「お父さん似」があるように、歯並びもどちらかに似る可能性があります。
また、歯の大きさや顎の大きさ・上顎と下顎どちらが出ているか(出っ歯または受け口)も遺伝します。

何歳から何歳が対象ですか?

小児歯科では、乳歯が永久歯に生えかわった永久歯列期において、歯並びや咬み合わせを正しくし、虫歯のない状態に完成させることを目的にしています。
生後約6か月頃に初めて乳歯が生えてきてから、2歳半頃までに約20本の乳歯が口の中に並ぶと言われています。
そして、6歳頃から永久歯への生えかわりが始まり、13~14歳頃には、ほとんどの永久歯が生え揃います。顎や顔面の成長は20歳前後まで続きます。
小児歯科はそれまで、咬み合わせやお顔のバランスを考えた治療で、お口の健康と成長をサポートする役割があります。

永久歯が乳歯の内側から生えてきたのですが、どうしたらよいですか?

乳歯から永久歯へ生え代わる時期に、前歯部ではよく乳歯の内側(舌側)から永久歯が生えてくることがありますが、舌の押し出す力でだんだんと外側に移動してきますので心配はいりません。
前歯の生え代わりは5~6歳から始まりますが、顎の成長に伴って歯が生え揃うスペースができればきれいに並ぶことも多いのです。もし8~9歳になっても歯並びの改善がみられない場合は矯正歯科の相談を受けた方がよいでしょう。

乳歯のすき間が気になりますが大丈夫ですか?

乳歯がすきっ歯だからと言って永久歯がそのまますきっ歯になる、ということはありません。
乳歯の歯と歯の隙間は専門用語で「発育空隙」と呼ばれており、実はこの隙間が乳歯から永久歯に生え変わる際、とても大事な役割を果たします。
発育空隙が空いていることにより、小さな乳歯が抜けた後、その後に生えてくる大きな永久歯が歯並びの中に収まり、きれいに並ぶことができます。

指しゃぶりの癖を直す方法はありますか?

幼児期に見られる場合は、指しゃぶりは精神的な安定のためなので、無理やり治す必要はありませんが、乳歯の噛み合わせが完成してきて、言葉の発音もするようになってからは、なるべく癖を除去した方がよいです。
言葉がわかる年齢になっていたら、指しゃぶりが歯並びによくないことを知って、やめるようによく説明します。
指しゃぶりがしずらくなるように、指にマニキュアを塗ったり、手袋をするなどでもよいでしょう。

乳歯は生え変わるのに、むし歯の治療は必要ですか?

虫歯が大きくなって穴の開いた乳歯があったり、早い時期に乳歯を失ってしまうと、隣の歯が傾きやすくなり、永久歯が生えるスペースが確保できず、歯並びが乱れたり永久歯が虫歯になりやすくなったり永久歯が生えてこれなくなってしまいます。
また、虫歯菌が歯の神経にまで到達してしまうと、奥深くで細菌が増殖し、その付近にいる永久歯の成長を阻害し、茶色い永久歯となって生えてくる場合があります。

子供の歯が抜けたのですが、大人の歯がなかなか生えてこないので心配です。

歯の生え変わりの時期は、人によって違うものの、大抵の場合はちゃんと生えてきます。
ですが、中にはもともと永久歯が存在しない「永久歯の先天性欠如」である場合や、永久歯があるのに生えてこれないでいる「埋伏歯」の可能性もあります。

シーラントは効果があるのでしょうか?

シーラントは、虫歯予防に効果的な処置です。
特に、奥歯の溝やくぼみは食べ物が詰まりやすく、虫歯になりやすい場所です。
シーラントはその溝を樹脂で埋めることで、食べ物や細菌が入り込むのを防ぎます。

子供が歯みがきを嫌がります。どうすればよいでしょう?

口にものを入れることに、少しずつ慣れさせていくことが大切なので、しっかり磨けているかどうかよりも遊び感覚から習慣化させていくように工夫しましょう。
親が子どもの歯を磨くとき、軽くやっているつもりでもブラッシングが強すぎることも多いです。それで嫌がる子どももいるでしょう。歯磨き粉も嫌がるならつけなくて構いません。軽くシュッシュと磨いてあげましょう。

むし歯って感染するんですか?

かみ砕いた食べ物を口移しで食べさせたり、スプーンや箸、ペットボトルなどを共有したり、スキンシップによるキスなどによって感染してしまいます。
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中に虫歯菌はいません。
虫歯菌は、歯が生え始める生後6カ月頃から定着し始め、乳歯が生えそろう生後19~31カ月(1歳7カ月~2歳7カ月)の時期に最も感染しやすく、定着しやすくなります。
この時期は特に注意が必要です。
一方、3歳までに虫歯菌に感染する機会がなければ、それ以後感染する危険性は低くなります。